著: | 広川雅之(お茶の水血管外科クリニック院長) |
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判型: | A4判 |
頁数: | 272頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2016年03月01日 |
ISBN: | 978-4-7849-6201-3 |
版数: | 第2版 |
付録: | - |
01 血管内焼灼術の歴史
1.血管内焼灼術は古代ローマ時代から?
2.近代の血管内焼灼術
3.日本における血管内焼灼術
4.科学研究費にみる血管内焼灼術
5.EVLTTM? EVLA?
6.保険収載への道
7.ガイドライン策定,実施医,専門医制定
8.ストリッピングから血管内焼灼術へ
02 血管内焼灼術の基礎
1.レーザーについて
2.レーザーによる焼灼メカニズム
3.レーザーの波長とEVLA
4.RFAの焼灼メカニズム
03 静脈瘤はエコーで診断!
1.静脈エコー検査の基礎
2.血管内焼灼術のためのエコー検査
04 血管内焼灼術の適応
1.血管内焼灼術の適応と除外基準
2.ガイドラインの適応決定の経緯
3.血管内焼灼術だから適応!
4.血管内焼灼術だから適応外!
5.注意すべき薬剤
6.注意すべき併存疾患
7.勘違いしないで!
05 血管内焼灼術のテクニック
1.準備が大切
2.術前マーキング
3.エコー下穿刺による静脈アクセス
4.tumescent local anesthesia(TLA麻酔)
5.TLA麻酔の実際
6.焼灼開始部位の決定─どこから焼くの?
7.レーザー焼灼のポイント
8.高周波焼灼
9.術後はどうするの?
06 合併症とその対策
1.大腿部疼痛
2.大腿部皮下出血
3.DVTとEndovenous heat-induced thrombus(EHIT)
4.神経障害
5.皮膚熱傷─恐れる必要はない
6.動静脈瘻
7.その他の稀な合併症
付記 水疱形成
07 EVLAの実際
1.大伏在静脈瘤
2.小伏在静脈瘤
08 RFAの実際
09 この症例をどうする?
1.大伏在静脈瘤
2.小伏在静脈瘤
3.その他の下肢静脈瘤
10 分枝静脈瘤はどうするの?
1.分枝静脈瘤はとるの? とらないの?
2.stab avulsion法とは?
3.マーキング
4.TLA麻酔
5.使用する器具
6.皮膚切開
7.静脈の吊り上げ
8.静脈の牽引
9.部位別の特徴
10.術後処置
11.合併症
12.エコーガイド下stab avulsion法
11 トラブルシューティング
1.適応編
解剖学的要因
その他のトラブル
2.準備編
3.治療編
穿刺
TLA麻酔に関するトラブル
レーザー照射に関するトラブル
4.術後編
術直後のトラブル
翌日?1週間のトラブル
遠隔期のトラブル
参考資料
1.下肢静脈瘤の治療に必要な医療機器と供給先
2.下肢静脈瘤診療に使用される書類
3.下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準
索引
初版出版時は,血管内レーザー治療の保険収載に合わせて私たちの9年間の経験と基本的なテクニックを知って頂くことが目的でした。その後は,技術の進歩に従って5年ぐらいを目処に本書の改訂が必要だと考えていました。しかし,2011年に980nmレーザーが保険収載されると,わが国における下肢静脈瘤の治療は私たちの予想を超えたスピードで大きく変貌しました。あっという間に血管内焼灼術はストリッピング手術の件数を凌駕し,2014年には新たに1,470nmレーザーと高周波焼灼術が認可され,現時点で4機種の血管内焼灼術が保険認可されています。この急激な変化の中で本書は予想よりも多くの先生方のご支持を頂き,また,種々の血管内治療が登場してきたことから,今回,5年を待たずに改訂することとなりました。
第2版ではタイトルを『下肢静脈瘤血管内レーザー治療』から『下肢静脈瘤血管内焼灼術」に変更し,新たに高周波焼灼術の歴史,メカニズムおよび治療の実際とstab avulsion法による瘤切除を書き加えて増補改訂しました。さらに,本書の特徴である実際の臨床ですぐに役に立つような実践的な内容となるようにすべてを見直しました。
本書が,新たに血管内焼灼術を始める先生方だけではなく,既に血管内焼灼術を行っている先生方にも手元に置いて頂き,日常診療の一助となれば幸いです。