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(動悸+睡眠時無呼吸症候群) × 柴胡加竜骨牡蛎湯→柴苓湯[漢方スッキリ方程式(18)]

No.4924 (2018年09月08日発行) P.14

勝田光明 (御所野ひかりクリニック院長)

登録日: 2018-09-07

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動悸を主訴に受診する患者は多く,実際に治療を要する絶対的不整脈から,治療を必要としない期外収縮,さらには不整脈を有しない場合もかなりの確率で経験する。西洋医学的な治療を要する患者は全体の2割程度である。しかし西洋医学的に治療不要と判断された患者の約7~8割が再診している。

このような患者に24時間ホルター心電図を装着し自律神経の解析を行い,HF(副交感神経を反映),LF/HF(交感神経を反映)の関係を見て漢方薬の判断をすることで的確に処方することができる。

交感神経過剰なら柴胡剤を考慮

交感神経が過剰な場合,柴胡剤を中心とした方剤を選択し,副交感神経が過剰な場合は駆瘀血剤,交感神経が低下している場合は水毒を合併しているケースが多いため利水剤,副交感神経が低下している場合は補剤を選択すると症状を改善させる場合が多い(図)。

西洋薬では,例えばβ遮断薬は単純に交感神経を低下させる能力を有するが,人体の反応は単純ではなく,必ず相互作用が働き副交感神経もやや過剰に働いており,時間や症状を変えて動悸が出現する場合がある。

特に夜間の交感神経が過剰になっている場合,睡眠時無呼吸症候群の存在を考慮してポリソムノグラフィーを行うことも診断の一助となる。AHIが20以上であればガイドラインよりCPAP治療が第一選択となる場合が多いが,AHI 5~15の軽症例やAHI 20までの中等症の対応に苦慮することがある。この場合マウスピースを用いることもあるが,かえって不眠をきたすこともあり,漢方治療も重要な位置づけになる。利水剤により口腔内水毒を改善し,さらに柴胡剤でストレス自体を軽減させることで,本人の自覚症状を治療することができる。

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