運動器疼痛や運動器障害に対して個々の対応向上と同職種・多職種連携によるサポート向上が期待されている
住民・行政・医療者が当事者意識を持ちながら,サポートやセルフケアを円滑に進めるためのインフラや人間関係の構築が重要である
世界一の高齢化が進むわが国において,運動器疼痛や運動器障害を持ちながらも生活する住民は増え続けている。それは僻地・離島でも同じ状況である。わが国の僻地・離島における運動器疼痛の医療需要に関する実態調査では,全受診理由に対する筋骨格(≒運動器疾患)に関する受診理由の割合を,2000年の山田ら(岐阜県の僻地)は15.2%1),2012年の森田ら(鹿児島県の離島診療所)は20.8%2),2017年の並木ら(沖縄県の与那国島)は27.0%3),と報告している。
整形内科的活動の需要が高まる中,筆者が活動してきたうち,沖縄県の離島と北海道の僻地で行政・住民に受け入れられた整形内科的生活指導に関する活動の一部を紹介する。