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臨床現場に活かす! 非麻酔科医のための鎮静医療安全【電子版付】 ガイドラインから多職種での訓練まで

善意の医療行為「鎮静」を医療事故にしないために!

定価:4,730円
(本体4,300円+税)

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監: 羽場政法(ひだか病院麻酔科部長)
編: 駒澤伸泰(大阪医科大学医学教育センター副センター長)
判型: B5判
頁数: 184頁
装丁: 2色刷
発行日: 2020年07月13日
ISBN: 978-4-7849-4900-7
版数: 第1版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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●最新の鎮静医療安全の世界基準(ASA-SED2018)に準拠しています。
●医学シミュレーション学会鎮静委員会の、「院内多職種連携を基盤とした鎮静トレーニング」のエッセンスを凝縮。
●診療科別の鎮静管理の実際も記載しました。

目次

●Ⅰ 鎮静ガイドラインが示すもの
1 鎮静の目的を理解する
2 鎮静の危険性を認識する
3 鎮静の適応を理解する
4 2018年度版米国麻酔科学会「処置時鎮静ガイドライン」を理解する
5 鎮静前の絶飲食時間を設定する
6 鎮静前の患者説明を設定する
7 鎮静前のリスク評価を行う
8 鎮静中の薬剤投与の原則を理解する
9 鎮静担当者の意義を理解する
10 鎮静中のモニタリングを理解する
11 鎮静終了時の注意点を理解する
12 鎮静医療安全を各施設で構築する

●Ⅱ 院内急変対応システムと鎮静
1 鎮静関連の院内急変対応システムを理解する
2 鎮静時の急変で救援依頼者と応援者の役割を理解する
3 過鎮静時の緊急対応の基本的な考え方を理解する
4 過鎮静による心停止時の対応を理解する

●Ⅲ 鎮静時使用薬剤と各部署での鎮静管理の実践
1 主な鎮静薬とその注意点を理解する
2 主な鎮痛薬とその注意点を理解する
3 高齢者における鎮静薬投与を実践する
4 小児における鎮静薬投与を実践する
5 肝機能障害患者における鎮静薬投与を実践する
6 腎機能障害患者における鎮静薬投与を実践する
7 処置時鎮静における局所麻酔薬の意義と注意点を理解する
8 鎮静処置後の薬物動態を理解する
9 歯科鎮静を実践する
10 消化器内視鏡鎮静を実践する
11 気管支鏡鎮静を実践する
12 局所麻酔時の鎮静を実践する
13 放射線領域での鎮静を実践する
14 小児MRIの鎮静を実践する
15 救急外来における鎮静を実践する

●Ⅳ 院内の鎮静医療安全向上の実践
1 国際認証における鎮静医療安全の位置づけを理解する
2 医療安全改善のための方策を実践する
3 鎮静医療安全向上の教育を実践する
4 多職種連携のための訓練を実践する
5 シミュレーションを用いた鎮静トレーニングコースを構築する
6 鎮静トレーニングコースの気道確保を実践する
7 薬剤シミュレーションを実践する
8 シナリオトレーニングを実践する
9 院内型鎮静トレーニングコースを実践する
10 院内型鎮静トレーニングの学習目標を設定する

巻末資料:薬剤カードディスカッション資料,PBLDシナリオ
索 引


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序文

鎮静は「患者を苦痛から解放する」善意の医療行為である。鎮静は,“cure”というよりは“care”の側面が強い。しかし,鎮静は全身麻酔薬を用いることが多く,しばしば重篤な合併症が発生する。治療行為による合併症でないことから,鎮静による医療事故は社会的にも理解されにくい側面もある。鎮静はその深度が数値化しづらいため,発生しうる合併症が発見しづらいこともある。ゆえに,鎮静の有害事象予防には,それぞれの医療従事者の連携が重要である。善意の医療行為を医療事故につなげないためには,多職種連携に基づいた院内訓練が必要である。
米国麻酔科学会は,1993年に「非麻酔科医のための鎮静・鎮痛薬投与に関する診療ガイドライン」(Practice Guidelines for Sedation and Analgesia by Non-Anesthesiologists. An Updated Report by the American Society of Anesthesiologists Task Force on Sedation and Analgesia by Non-Anesthesiologists)を発表した。このガイドラインは,すべての職種,診療科に対する鎮静の基本を示している。現在までに,鎮静に関する様々なガイドラインが上梓されたが,すべてはこのガイドラインを基本にしている。
2018年3月に「処置時鎮静の中等度鎮静」を対象としたガイドラインが米国麻酔科学会により提示された。このガイドラインはその推奨の中で,各施設における院内急変対応を含めた鎮静医療安全体制の必要性を説いている。
医学シミュレーション学会鎮静委員会は,各診療科の医師,歯科医師,看護師などを含めた医療従事者を対象とした鎮静トレーニングコース(鎮静実践セミナー)を開発した。学習目標を明確化し,教育工学の活用によりコース設計改善を継続的に行っている。本書は,我々が開発している「院内多職種連携を基盤とした鎮静トレーニング」のエッセンスである。
本書は特定の診療科に限定されず,すべての鎮静に関わる医療スタッフを対象にしている。少数精鋭で執筆し,内容の統一性を意識した。さらに医療安全アプローチを個人とシステム面にわけるなどの工夫も行った。本書が多職種による鎮静医療安全に貢献できれば幸いである。

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