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ステントグラフト内挿術マニュアル 腹部編【動画を含む電子版付】

日々の臨床で培われた技術の神髄を、文章と動画で次世代へ。

定価:13,200円
(本体12,000円+税)

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編著: 森下清文(市立函館病院 院長)
判型: B5判
頁数: 368頁
装丁: 2色刷
発行日: 2020年09月14日
ISBN: 978-4-7849-6278-5
版数: 第1
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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腹部大動脈瘤治療にパラダイムシフトを起こす可能性を秘めたステントグラフト留置術(EVAR)。
本邦でも普及が進むこの手技を、日本を代表する専門医が集結し、徹底解説。イメージング、適応、メーカー別デバイス紹介などの基本事項から、特殊病態、解剖学的困難症例、エンドリーク、合併症などの踏み込んだ内容までを網羅。付属の無料電子書籍(HTML形式)には160本を超える動画を収載し、文章や図表だけでは伝わりにくい手技のコツを開陳しています。
初学者だけでなく、さらに技を磨きたい中級者まで、幅広くご活用頂けます。
1.EVAR を始めるにあたって
2.基礎技術編
3.イメージング
4.EVAR の適応
5.コマーシャルデバイス
6.特殊病態
7.解剖学的困難症例
8.エンドリーク
9.合併症
10.治療の幅を広げる技術
11.open conversion 症例
12.long-term results
13.放射線被曝に対する防護

診療科: 外科 心臓血管外科

目次

1 EVAR を始めるにあたって
2 基礎技術編
3 イメージング
4 EVAR の適応
5 コマーシャルデバイス
 ① Aorfix
 ② AFX
 ③ ENDURANT
 ④ Excluder
 ⑤ Cook Zenith Alpha
6 特殊病態
 ① 破裂性腹部大動脈瘤
 ② 腸骨動脈瘤を合併したEVARの治療
 ③ 腸骨動脈閉塞合併例に対するEVAR
 ④ 感染性・炎症性腹部大動脈瘤
7 解剖学的困難症例
8 エンドリーク
 ① 総 論
 ② Type Ⅰ
 ③ Type Ⅱ
 ④ Type Ⅲ
 ⑤ Type Ⅳ
 ⑥ Type Ⅴ
9 合併症
 ① migration(マイグレーション)
 ② アクセストラブル
 ③ Embolism
 ④ 腎動脈閉塞
 ⑤ ステントグラフト脚閉塞
 ⑥ 臀筋跛行
10 治療の幅を広げる技術
 ① push up
 ② reverse slider technique
 ③ parallel leg(Double D technique)
 ④ upside-down technique
 ⑤ KILT法
11 open conversion 症例
12 long-term results
13 放射線被曝に対する防護
コラム1 Chimney法
コラム2 Ovation

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序文

アルベルト・アインシュタイン博士。この名前を知らない人はいないでしょう。ニュートン力学に代表される“古典物理学”にパラダイムシフトを起こした人です。腹部大動脈瘤破裂で亡くなったことでも有名です。
1948年11月,彼は著名な外科医であったルドルフ・ニッセンの手により腹部大動脈瘤にセロファンを巻く手術を受けました。しかし1955年4月にその大動脈瘤が破裂した際に,彼は秘書に“It is tasteless to prolong life artificially.”と言って治療を拒否しました。この言葉からわかるように,腹部大動脈瘤治療はその時点で人工血管置換術の時代へパラダイムシフトしていたのです。
科学哲学者のトーマス・クーンは著書「科学革命の構造」の中で, 科学は突如として,そして革命的に変化すると述べています。近年ではスマートフォンの出現がその代表例でしょう。
この革命的な変化,パラダイムシフトが腹部大動脈瘤治療に再び現れるかもしれません。ステントグラフト留置術(EVAR)です。ただし,このテクノロジーが人工血管置換術に置き換われるかどうかはまだわかりません。なぜなら臨床経験を積むにつれ,その問題点も明らかになってきたからです。人工血管置換術に比べ低侵襲ではありますが,再治療も多く遠隔成績の点で満足すべきものではありません。
しかし,そうは言っても,現時点でのEVARの歴史は短く,まだまだ伸び代が残されているのかもしれないことは留意しなければなりません。言い換えると今後,技術の進歩,デバイスの改良が飛躍的に伸びる可能性はあるわけです。
さらにこのテクノロジーの進歩に加え,もう一つパラダイムシフトが起きるための条件があります。それは世代交代です。地動説はガリレオ・ガリレイの裁判に関わった人々がすべてこの世を去ってから評価が定まりました。まさにこの教科書の読者である諸子が次の時代を担うようになった時点でEVARの評価も定まるのでしょう。
もちろんEVARありきではありません。そのためにも現段階におけるEVARの立ち位置を正確に理解してもらう必要があります。本執筆陣はいずれもEVARの治療最前線で汗を流されているエキスパートの面々です。日々の臨床から培われた神髄を文章だけではなく動画も用いて次世代へ伝えてほしいとお願いしました。
正直に言って,私にとってこの編集作業ほど楽しい仕事はありませんでした。各執筆者の臨床における思いや工夫が伝わり,吸い込まれるように動画の画面や本文の文章に見入ってしまったのです。我々もこれまで先人の肩の上に乗りながらいろいろな物を積み上げてきました。この教科書が読者にとっても同じ役割を果たせることを祈念して止みません。

2020年8月
森下清文

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正誤情報

下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。

・ 21ページ 下から1行目

〈誤〉「…より平行にゲートをめざすようにする。」→〈正〉「…より平行にゲートをめざすようにする(動画4,5)。」

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