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眼瞼腫瘍[私の治療]

No.5077 (2021年08月14日発行) P.45

吉川 洋 (九州大学大学院医学研究院眼科学分野特任講師)

登録日: 2021-08-15

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  • 眼瞼は薄い板状臓器であるが,表皮,皮膚付属器,眼輪筋,瞼板腺,瞼結膜など多くのパーツからなり,腫瘍の種類も多い。組織型および眼瞼内での発生部位により治療は様々である。

    ▶診断のポイント

    発生部位が重要である。皮膚の脂漏性角化症,瞼縁の母斑,両者にありうる基底細胞癌,そして最大の重要事は癌腫が瞼板から発生している場合,「マイボーム腺癌」の診断名を考えることである。瞼結膜からは扁平上皮癌が発生し,瞼結膜と軟部組織にはリンパ腫も発生する。

    ▶私の治療方針

    切除治療が基本となるが,病変が薄く広汎,超高齢などの場合は薬物治療も検討する。また,組織型により放射線治療も検討する。切除においては,真皮のほとんど存在しない眼瞼皮膚の場合,瞼板という極厚の真皮を持つ瞼縁皮膚の場合,瞼結膜の場合では,切除法,縫合や形成のポリシーが変わってくる。

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