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小児脳腫瘍診断の抱える問題点

No.5077 (2021年08月14日発行) P.51

片岡大治 (国立循環器病研究センター脳神経外科部長)

藍原康雄 (東京女子医科大学脳神経外科准教授)

登録日: 2021-08-13

最終更新日: 2021-08-10

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  • 小児脳腫瘍診断の抱える問題点についてご教示下さい。
    東京女子医科大学・藍原康雄先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    片岡大治 国立循環器病研究センター脳神経外科部長


    【回答】

    【頭蓋内胚細胞腫に対する新分子マーカーPLAPと小児グリオーマの新規治療薬に期待】

    小児脳腫瘍治療においては,治療法を決定するための腫瘍別悪性度診断はWHO脳腫瘍分類(第5版,2021年)を基盤とするため,外科的手技による腫瘍組織の採取が必須とされてきた歴史的背景があります。しかし,臨床経過は必ずしも組織診断に基づく悪性度分類と一致しません。これら腫瘍診断の課題に対する解決案として,形態学的組織診断に加えて髄液中分子腫瘍マーカー検査や摘出サンプルからの遺伝子的精査が発展しています。

    頭蓋内胚細胞腫(頭蓋内germ cell tumor:頭蓋内GCT)の診断に関しては,生検術による病理診断に加えて,血液,髄液中human chorionic gonadotropin(HCG)値,α-fetoprotein(AFP)値などを測定するのが一般的です。特に,血液,髄液中HCG値,AFP値が正常値を示す胚腫(germinoma)については,生検術での確定診断が理想とされています。今日,既存の腫瘍マーカーに加えて,髄液中のplacental alkaline phosphatase(PL AP)値測定が,侵襲的な生検術を回避しGCT治療後の治療効果を判定する指標となるばかりでなく,再発・播種の判定に有用な指標となる可能性が報告されました1)。今後,「リキッドバイオプシー」としての髄液中PLAP測定値の意味する腫瘍特性などを解明するために病理診断と総合評価を検証する必要があります。

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