【質問者】
山本貴和子 国立成育医療研究センター アレルギーセンター総合アレルギー科医長
【急性食物蛋白誘発胃腸炎(acute FPIES)の重症の症状に対し,輸液が治療の主体である】
新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症は,これまで消化管アレルギーと呼称されていましたが,診療ガイドライン1)にて名称が統一されました。主に新生児から乳児で発症し,原因食物を摂取すると嘔吐,下痢,下血,体重増加不良などの症状を呈します。蕁麻疹や咳・喘鳴など即時型食物アレルギー(IgE依存性)でみられる皮膚・呼吸器症状は伴いません。世界的に発症が増えていますが,疾患メカニズムは十分に解明されておらず,非IgE依存性の免疫反応が推測されています。
食物蛋白誘発胃腸症はさらに,食物摂取から症状出現までの時間が短い急性食物蛋白誘発胃腸炎(acute food protein-induced enterocolitis syndrome:acute FPIES),慢性の経過をとる慢性食物蛋白誘発胃腸炎(chronic FPIES),食物蛋白誘発直腸大腸炎(food protein-induced allergic proctocolitis:FPIAP),食物蛋白誘発腸症(food protein-induced enteropathy:FPE)に分けられます。
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