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徐脈頻脈症候群【後編】/Bradycardia-tachycardia syndrome[Dr.ヒロの学び直し!心電図塾(第65回)]

No.5252 (2024年12月21日発行) P.8

Dr.ヒロ|杉山裕章

登録日: 2024-12-20

最終更新日: 2024-12-18

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本格的に寒くなってきましたね。いよいよ2024年ラストの『Dr.ヒロの学び直し! 心電図塾』です。例年お届けしている“まとめ”は新年号に回し,今回も「徐脈頻脈症候群」に関するレクチャーをします。

【前編】で取り上げた,徐脈頻脈症候群の最も典型的な場面から思い出してみましょう。上室(性)頻拍が“急停止”した際に,洞結節が本来のペースで再び動きだせずに“フリーズ”してしまうという病態でした。

冒頭に示したのは,3~4カ月前に心房細動(AF)アブレーションを受けた71歳,男性の心電図です(図1,図2)。頭部浮遊感と耳鳴りの訴えで,救急受診しました。最も目立つ中央のポーズ部分をご覧下さい。

前回冒頭に示した心電図と異なる点は主に2つあります(No.5250,第64回参照)。1つは頻拍部分がAFではなく,「心房頻拍」(atrial tachycardia:AT)であるという点です。ランダムな細動(f)波ではなく,約200回/分の定型な心房(P)波が観察できます。

もう1つ異なる点は,1拍(おわりから5拍目)だけ洞収縮を挟んで間髪入れずにATに戻っている点でしょうか。この状態からは,「インセサント型心房頻拍」(incessant AT)という病態が推察されます。頻拍が停止してはすぐに再開するというイベントを繰り返すのが特徴で,徐脈頻脈症候群でもときどき見かけるパターンの1つです。

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