石破茂首相は1月28日、参院本会議で行われた代表質問への答弁の中で、訪日外国人患者に高度な医療を提供する「医療インバウンド」の拡大と、混合診療(保険診療と保険外診療の併用)を例外的に認める「保険外併用療養費制度」の見直しを同時に進める考えを示した。自民党の武見敬三参院議員会長(前厚労相)の質問に答えた。
武見氏は、公的医療保険が適用されない医療インバウンドの拡大により自由診療が広がれば、コストが下がり、高度医療の保険適用がしやすくなるとして、「(医療インバウンドを)医学・医療の進歩の果実を国内に導入する入口とするためにも、自由診療のあり方を検討すべき」と主張。
石破首相は「医療インバウンドは、国内における医療技術の向上や知見の集積など広く国民への還元にもつながるため、実態の把握、課題の分析を行いながら進めていく」としながら、「同時に、医療技術の進歩と患者ニーズの高度化・多様化に応えるため、保険外併用療養費制度の見直しについて民間保険の活用を含め検討を進めていく」と述べ、医療インバウンドの推進とともに保険外併用療養の拡大にも意欲を示した。