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高尿酸血症とCKDの進行【因果関係を認める研究が多数派を占めるが,結論を出すには介入試験が必要】

No.4855 (2017年05月13日発行) P.49

熊谷天哲 (帝京大学地域医療支援講座特任講師)

内田俊也 (帝京大学内科教授)

登録日: 2017-05-09

最終更新日: 2017-05-09

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高尿酸血症がCKDの進行に影響するかどうかは以前より注目を集めてきた。19万人以上を対象としたメタアナリシスで,高尿酸血症はCKD新規発症の予測因子であった1)。一方,stage 3,4のCKD患者を経過観察したMDRD studyで,高尿酸血症は腎不全の進行とは関連しなかった2)。筆者らのCKDコホート(803人)で傾向スコアを用いて解析したところ,尿酸高値群では末期腎疾患発症の有意なハザード比の上昇を認めた3)。その結果からは,血清尿酸値を6.5mg/dL以下にすべきと考えられた4)。ほとんどの観察研究は,尿酸値がCKD進行のリスク因子であることを示唆しているが,結論を出すためには介入試験が必要である。

アロプリノールの効果を調べたRCTでは腎保護効果があるとする報告と,ないとする報告があり,結論は得られていない5)。また,フェブキソスタットの研究では,CKD患者93人を対象としたRCTにおいて,eGFRの低下を抑制した6)。この研究の症例数はきわめて少なく,現在わが国で行われているフェブキソスタットを用いたRCTの結果が注目される。

【文献】

1) Li L, et al:BMC Nephrol. 2014;15:122.

2) Madero M, et al:Am J Kidney Dis. 2009;53(5): 796-803.

3) Uchida S, et al:PLoS One. 2015;10(12):e0145506.

4) Kumagai T, et al:Clin Exp Nephrol. 2017;21(2): 182-92.

5) Bose B, et al:Nephrol Dial Transplant. 2014;29 (2):406-13.

6) Sircar D, et al:Am J Kidney Dis. 2015;66(6): 945-50.

【解説】

熊谷天哲 帝京大学地域医療支援講座特任講師

内田俊也 帝京大学内科教授

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