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周産期医療におけるオンラインサポートのメリットと新型コロナウイルス感染症流行下で妊産婦に生じた変化について

No.5069 (2021年06月19日発行) P.50

漆山大知 (福岡大学医学部産婦人科学教室講師)

重見大介 (東京大学大学院博士課程 (医学部医学系研究科臨床疫学・経済学))

登録日: 2021-06-16

最終更新日: 2021-06-16

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  • 周産期医療におけるオンラインサポートのメリットと新型コロナウイルス感染症流行下で妊産婦に生じた変化についてご教示下さい。
    東京大学・重見大介先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    漆山大知 福岡大学医学部産婦人科学教室講師


    【回答】

     【様々な不安が広がる新型コロナウイルス感染症流行下では,遠隔医療が特に有用だと思われる】

    近年,医療におけるオンライン(非対面)でのサポートは「遠隔医療」と総称されます。遠隔医療にも様々な種類があり,アプリケーションやモニタリングツール,オンライン診療などが各国で活用,研究されています1)2)

    わが国でも2018年3月にわが国初の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が厚生労働省から示されたこと,そして新型コロナウイルス感染症が拡大していることなどが影響し,遠隔医療システムの構築が今後進められていくでしょう。なお,周産期領域では既に71論文を対象とした文献レビューが出されており,妊娠糖尿病やメンタルヘルスなど一部の分野では遠隔医療の有効性が複数報告されています3)

    私は遠隔健康医療相談を提供する仕組みとして「産婦人科オンライン」という事業を運営しています4)。産婦人科領域の不安や疑問について,自宅からスマートフォンで寄せられる相談に専門職(産婦人科医または助産師)がオンラインで回答(非診療行為に限る)します。利用者の99.9%は無料で相談が可能な仕組みとなっており,毎月数百件の相談が寄せられます。相談内容は多岐にわたり,妊婦健診では十分に不安が解消できていないこと,また産褥期の産後健診前後には多くの辛さや不安が存在していることを日々実感しています。

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