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帯状疱疹関連痛の治療法とペインクリニックへの紹介タイミングについて

No.5121 (2022年06月18日発行) P.52

井関雅子 (順天堂大学医学部麻酔科学ペインクリニック講座教授)

渡邉恵介 (奈良県立医科大学附属病院ペインセンター病院教授)

登録日: 2022-06-20

最終更新日: 2022-06-14

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  • 帯状疱疹関連痛には,発疹発症から皮膚症状軽快,残存する神経痛まで様々な痛みがあり,急性期,亜急性期,慢性期と分類することもあります。
    様々な時期において選択すべき治療法とペインクリニックへの紹介タイミングについて,奈良県立医科大学・渡邉恵介先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    井関雅子 順天堂大学医学部麻酔科学ペインクリニック講座教授


    【回答】

     【高齢者や痛みの強い患者では,早期から神経ブロック治療を行う】

    帯状疱疹の合併症に帯状疱疹後神経痛(post herpetic neuralgia:PHN)があります。急性期の痛みは,約80%の患者で3カ月後には改善しますが,20%の患者は長く神経痛を訴えます。PHNは難治性でADLの低下をまねくため,PHNへの移行を抑制することが重要です。そのため,急性期の抗ウィルス薬治療に加えて,神経ブロックを早期に行うことが推奨されています。

    PHNに移行するリスク要因には,高齢と急性期の強い痛みがあります。70歳以上の患者や痛みによる不眠などを訴える患者に関しては,早期の神経ブロックの適応があるためペインクリニックへの紹介を考慮します。また,慢性期はブロック治療の効果はほとんど期待できませんが,後述するニューロモデュレーションが施行できるようになっているので,高度治療のできるペインクリニックへ紹介を考慮します。

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