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回帰性リウマチ[私の治療]

No.5242 (2024年10月12日発行) P.41

平田信太郎 (広島大学病院リウマチ・膠原病科教授)

登録日: 2024-10-11

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  • 回帰性リウマチは急性の単関節炎ないし多関節炎および関節周囲炎が突然発症し,数時間〜数日持続したのち完全に消失し,このような短期の関節炎が複数の関節に不定期に繰り返される疾患である。回帰性リウマチの約30~70%が関節リウマチに移行すると報告される一方で,自然軽快例もみられる。

    ▶診断のポイント

    不定期に繰り返される急性かつ移動性の単関節炎ないし多関節炎で,数日以内に完全に消失する場合に本疾患を疑う。通常,関節破壊をきたさないと考えられており,関節X線画像で異常所見がないことを確認する。ただし,関節リウマチの病態が完成する前段階の分類不能関節炎をみている可能性があり,関節リウマチへの進展に注意が必要である。

    その他,結晶沈着性関節炎(痛風・偽痛風),成人発症Still病,各種膠原病・血管炎症候群,自己炎症性症候群(家族性地中海熱,クリオピリン関連周期熱症候群など)といった急性多発性関節炎をきたす疾患の鑑別を要する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    発作時の対症療法が中心となる。通常は非ステロイド性抗炎症薬で発作の終息を待つが,十分な効果を得られない場合には一時的なグルココルチコイド投与(関節内・筋肉内投与ないし経口投与)が試みられることもある。一方,これらの薬剤は発作が終息すれば,漫然と投与を継続せず速やかに中止する。

    抗リウマチ薬(メトトレキサート,サラゾスルファピリジン,金製剤など)が有効であったとの報告があるものの,関節リウマチへの進展阻止に対する有用性は示されていない。

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