□低酸素血症や呼吸困難を伴うときは,診断よりは酸素投与・気道確保などの処置を速やかに開始する。
□抗菌薬は不要である。非特異的治療を参照(後述)。
□通常,抗菌薬は不要である。非特異的治療を参照。ただし,高齢者や免疫抑制者,慢性呼吸器疾患患者では,抗菌薬を考慮する。
□成人市中肺炎診療ガイドライン等を参照する。
□通常,抗菌薬は不要だが,症状が強ければ非特異的治療を参照。
□症状が毎日ないものを軽症,毎日あるものを中等症と言う。症状に応じてβ2刺激薬の併用を考慮する。
□軽症では以下のように処方する。
□中等症では以下のように処方する。
□咳嗽発作時にはサルタノール®インヘラー®等を使用する。
□なお,キプレス®,サルタノール®を使用する際は,気管支喘息の病名が必要である。
□以下のように処方する。プロトンポンプ阻害薬が使用できないときにはヒスタミンH2受容体拮抗薬を用いる。
□薬剤の中止またはアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)への変更を行う。ARBへ変更後も改善しなければ,ARBも中止する。
□軽度の場合は以下のように処方する。
□重度の場合には,以下のように処方する。
□胸部X線:肺炎や心不全,肺癌・結核などの肺疾患を疑うときには施行してよい。
□CT:単純写真では難しい喉頭や食道,気管支・肺の下葉などの評価に有用である。
□喀痰のグラム染色・培養:細菌性肺炎が疑われるときには有用である。特に,喀痰のグラム染色は起炎菌を迅速に同定することが可能である。
□喀痰抗酸菌検査:結核・非結核性抗酸菌などを疑うときには必須である。
□喀痰細胞診:肺癌や咳喘息の診断に有用である。
□呼気NO測定:喘息の診断に有用である。
□呼吸機能検査:肺疾患や気道病変の評価に有用である。
□咳のみを主訴に受診する心不全や肺炎,慢性閉塞性肺疾患(COPD)急性増悪もある。高齢者や慢性の呼吸器・心疾患,精神疾患のある患者では軽症にみえることもあり,注意が必要である。これらのリスクのある患者では必ずSpO2と呼吸数を確認する。
□原因不明の咳嗽では,稀に反回神経麻痺,上気道狭窄など重篤な疾患があり,必要に応じて耳鼻科にコンサルトする。
□治療にもかかわらず低酸素や呼吸困難が出現するときは,前述の緊急時の対応をする。
□治療後も症状が改善しなければ,他の疾患の可能性がないか,もしくは他の病態がないか再評価する。
□咳の合併症として,咳失神,結膜下出血,静脈瘤や動脈瘤の破裂,不整脈,頭痛,鼠径ヘルニア,胃食道逆流症,膀胱尿管逆流症,肋骨骨折,気管損傷,縦隔気腫・気胸,喘息悪化,QOLの低下が挙げられる。
▶ 日本呼吸器学会:咳嗽に関するガイドライン. 第2版. メディカルレビュー社, 2012.
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