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■NEWS 看護必要度I・IIとも該当患者割合が改定前よりも低下―22年度改定効果検証調査

登録日: 2023-06-23

最終更新日: 2023-06-23

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厚生労働省は6月8日の診療報酬調査専門組織の入院・外来医療等の調査・評価分科会に、2022年度診療報酬改定の効果検証調査の結果(速報値)を報告した。一般病棟の「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)に関する施設基準見直しの影響では、看護必要度I・IIのいずれの場合も、改定前に比べて該当患者割合が低下したことがわかった。

22年度改定では一般病棟の看護必要度について、評価項目や該当患者割合の基準値の見直しが行われた。調査で改定前後の該当患者割合を比較したところ、看護必要度Iの場合は「急性期一般入院料1」で約5ポイント、「同入院料4」では約3ポイント低下。看護必要度IIの場合は、「急性期一般入院料1」が約4ポイント減、「同入院料4」が約1ポイント減となり、評価方法を問わず該当患者割合が低下していた。分科会の委員からは、心電図モニターの管理が評価項目から外れた影響ではないかとの指摘があった。

「地域包括ケア病棟入院料」(入院医療管理料含む)は、一般病床から届け出る際の要件に救急医療の実施が追加されたことを踏まえ、実態を調査した。それによると、救急患者の受入頻度で最も高かったのは「週7日」(60.1%)、次いで「週0日」(13.0%)。救急搬送の受入件数は、「0〜100件」(203施設)を中心に400件以下の施設が多いが、ばらつきも認められた。

■回復期リハ病棟の心大血管疾患リハの届出は専門医の確保が課題

回復期リハビリテーション病棟における疾患別リハビリテーションの実施で、前回改定で対象に追加された「心大血管疾患リハビリテーション料」の届出割合は、16.9%だった。未届施設の多くは今後も届出の希望や予定はなく、その理由では、「循環器科または心血管外科の医師の確保が困難」、「心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する医師の確保が困難」との回答が多かった。

療養病棟については、中心静脈栄養を実施している患者の入院料算定の際、当該病棟に摂食機能や嚥下機能の回復に必要な体制がない場合は、本来の医療区分3ではなく、医療区分2の点数を算定する措置が導入された。調査対象施設でこれらの体制を有していたのは61.8%。体制がない施設(32.7%)では、内視鏡嚥下機能検査や嚥下造影の実施体制の確保が難しく、今後も体制整備の予定がないと回答した施設が大勢を占めた。

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