討論 Pro×Proでは、医療現場が直面する問題や臨床医の間で関心が高いテーマについて、専門家同士による討論・意見交換をお届けします。
今日のテーマは「新型コロナ後遺症はここまで改善できる!」。昭和大学病院病院長の相良博典先生、ヒラハタクリニック院長の平畑光一先生にディスカッションいただきます。(Part 1「症状編」)
(視聴時間13分・2021年11月30日収録)
新型コロナウイルスの新規感染者数は大小の波を繰り返すのに対し、新型コロナの後遺症は、遅れて発症するケースや症状が長期にわたるケースもあるため患者数が一貫して増え続けている。
本企画では、地域の基幹病院として新型コロナ感染症に対応する昭和大学病院(東京・品川区)の相良博典病院長と、コロナ後遺症外来で多くの患者を受け入れ最新情報を発信し続けるヒラハタクリニック(東京・渋谷区)の平畑光一院長に、後遺症の症状・治療法でこれまでにわかったこと・いまだわからないことについて討議いただいた。
Part 1では「新型コロナ後遺症の症状・病態」を巡る討論の模様をお届けする。
Part 2「治療編」へ
Part 3「メッセージ編」へ
編集メモ~ここがポイント!
- 新型コロナ後遺症は「いつ治る」ということが言い切れない。特に、日本人に多い倦怠感を中心とする後遺症は「完治」まで持っていくことが難しい
- 味覚・嗅覚障害は比較的早期に出てくる症状。それほど重篤になることはない。亜鉛が足りていなければ亜鉛を補充するなどの対応を行う
- 倦怠感の症状は幅が広いが、軽い負荷で5時間~48時間後に急激にだるくなるPEM(Post-exertional malaise)がある場合はリスクが高い
- コロナ感染症の重症度との関連では、急性期の症状が重いケースは呼吸器系の後遺症、軽いケースは倦怠感系の後遺症が出やすい
- ヒラハタクリニックの後遺症外来患者の約94%は倦怠感を何らかの強さで感じている。日本では倦怠感にフォーカスを当てる必要がある
- ブレインフォグは上咽頭擦過療法で改善されるケースが多く、上咽頭の部分でサイトカインが悪さをしている可能性が強い
【関連情報】
平畑光一氏の情報サイト「longcovid.jp」( https://longcovid.jp/ )
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