討論 Pro×Proでは、医療現場が直面する問題や臨床医の間で関心が高いテーマについて、専門家同士による討論・意見交換をお届けします。
今日のテーマは「わが国におけるワクチンへの躊躇(vaccine hesitancy)」。長崎大学小児科教授の森内浩幸先生、聖マリアンナ医科大学小児科准教授の勝田友博先生にディスカッションいただきます。
(視聴時間32分・2021年9月14日収録)
【主な内容】
- 勝田先生による概説「わが国におけるワクチンへの躊躇(vaccine hesitancy)」(00:40)
- 新型コロナワクチンに関してこれまでと大きな違いが生じたのか?(13:00)
- 新型コロナワクチンに関して日本政府の姿勢はどう影響したか?(15:35)
- HPVワクチンなどその他のワクチンも国民が受け入れるようにするにはどうすればいいか?(18:15)
- 医療従事者に正しい知識・考え方を伝えるにはどうすればいいか?(23:20)
- アカデミアから国に訴える場合、何が一番大事か?(26:25)
- 森内先生によるまとめ「ディスカッションを終えて」(30:11)
編集メモ~ここがポイント!
- vaccine hesitancy(ワクチン忌避、躊躇)は、ワクチン接種環境が提供されているにもかかわらず、接種遅延または拒否が発生している状況。すべてのワクチンに反対するAnti-vaccine movementとは違う
- vaccine hesitancyに関連する要因は3C(Complacency, Confidence, Convenience)
- 新型コロナワクチンに関する信頼できる情報源として、かかりつけ医による説明の影響は大きい
- 国やアカデミアからの迅速かつ正確な情報提供と情報を患者に伝えるかかりつけ医の存在が重要
- ターゲットとした病気自体の重要性が高いほどワクチンの受け入れや開発が進みやすい
- 医療従事者の間にもワクチンへの躊躇(hesitancy)があり、医療従事者に対する教育体制も課題
- 米国ACIPのように高い透明性を持って方針を決める必要がある
- 医師は患者や保護者に与える影響力の強さを認識すべき
- 国がしっかり動けるように世論を形成するのも、一人一人の医師、アカデミアの責任
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[質疑応答~プロからプロへ]わが国におけるワクチンへの躊躇(vaccine hesitancy)について(日本医事新報2021年5月15日号掲載)