Ⅰ はじめに
1 本ガイドライン作成の背景
2 本ガイドラインの利用者と目的
3 対象患者
4 本ガイドラインの位置づけおよび使用上の注意
5 圧迫療法に使用する装具・機器
6 作成組織
7 作成資金
8 利益相反
9 作成工程
10 改訂
11 普及のための工夫
Ⅱ 圧迫療法概論
1 圧迫療法の基礎
2 各種圧迫療法
3 圧迫療法の有害事象
Ⅲ クリニカルクエスチョン(CQ)
Ⅳ 一般の方へ
1 クリニカルクエスチョンと推奨について
2 圧迫療法についてのクリニカルクエスチョンの説明とQ&A
◦Supplement(CQ8,CQ10図)
◦Supplement〔Table of Evidence:ToE(CQ1- CQ10)
日本の静脈疾患における圧迫療法は,圧迫療法の教育資格システムである「日本静脈学会弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター」創設,弾性ストッキングや間欠的空気圧迫法施行で算定できる「肺血栓塞栓症予防管理料」の公的保険収載,さらに静脈性潰瘍に「慢性静脈不全症に対する静脈圧迫処置」の保険収載など徐々に公に認知されてきました。圧迫療法に対する認知度は,まだまだ発展途上であるものの,同時に日本には世界に類をみないシステムが構築されてきたのも事実です。
静脈疾患に対する圧迫療法の重要性は様々な血管疾患,創傷ガイドラインで部分的に示されてきました。しかしながら,総説はあるものの,系統的に文献検索,システマティックレビューを施行してエビデンスを評価した静脈疾患に対する圧迫療法のガイドラインは海外を含めて存在しませんでした。このため,弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター養成委員会内では,エビデンスを評価すると同時に専門家のコンセンサスを示すガイドラインの必要性について議論が断続的に行われてきました。
今回,日本静脈学会では,2023年よりガイドライン委員会,弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター養成委員会を中心としたガイドライン委員会内の小委員会でガイドライン作成を行いました。看護,皮膚科,放射線科,形成外科,血管外科,心臓血管外科の多領域にわたるメンバーから構成されています。
本ガイドラインは,各作成委員の多大な時間と労力の結晶です。この難事業に対応していただいた,高い使命感・倫理感そして知識と経験を有した作成委員のお一人お一人に,日本静脈学会理事長として心から敬意と感謝を表します。本当にありがとうございました。
このガイドラインが,圧迫療法を行っている皆様のお役にたてることを心からお祈りし,そして信じております。
2025年1月
日本静脈学会理事長 孟 真
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。
このたびは『静脈疾患における圧迫療法ガイドライン2025』をご購入いただきまして誠にありがとうございました。
本書に下記の変更がございますので,訂正するとともに,謹んでお詫び申し上げます。
頁 | 誤 | 正 |
大扉・奥付 |
編集:日本静脈学会ガイドライン委員会 |
編集:圧迫療法ガイドライン小委員会 |
頁 | 誤 | 正 |
95頁 |
VTEリスクを複数持つことで,VTEの発症リスクはさらに高まる1-4)(図1,表11),24))。 |
VTEリスクを複数持つことで,VTEの発症リスクはさらに高まる1-4)(図13),表11),24))。 |
頁 | 誤 | 正 |
95頁 図1 |
引用元なし |
文献3より引用 |
頁 | 誤 | 正 |
96頁 表2 |
VTE既往* 7日以上動けない** VTE発症率*** |
VTE既往 7日以上動けない* VTE発症率** |
頁 | 誤 | 正 |
96頁 表2キャプション |
*:VTE既往:入院3カ月以上前に発症歴あり **:動けない:24時間以上にわたってベッドか椅子上安静 7日以上:入院直前の期間を含む ***:入院後3カ月以内 |
*:動けない:24時間以上にわたってベッドか椅子上安静 7日以上:入院直前の期間を含む **:入院後3カ月以内 |
頁 | 誤 | 正 |
99頁 |
CLOTS3研究においては,平均施行期間は12.5日(標準偏差10.9日),中央値9日(四分位3-22日)であった。 |
CLOTS3研究においては,平均施行期間は12.5日(標準偏差10.9日),中央値9日(四分位3-22日)であった39)。 |
頁 | 誤 | 正 |
100頁 |
特にリスクのある内科疾患としては,脳卒中10,52),心不全11-13,53),急性心筋梗塞11,54),呼吸不全53),COPD急性増悪14),急性感染症15,16),COVID-1917,18),活動性癌26-29),ネフローゼ症候群55,56),IBD31-33),自己免疫性疾患30,57),骨髄増殖性疾患58,59),発作性夜間血色素尿症60)等があげられる。 |
特にリスクのある内科疾患としては,脳卒中10,52),心不全11-13,53),急性心筋梗塞11,54),呼吸不全1,3,53),COPD急性増悪14),急性感染症15,16),COVID-1917,18),活動性癌26-29),ネフローゼ症候群55,56),IBD31-33),自己免疫性疾患30,57),骨髄増殖性疾患58,59),発作性夜間血色素尿症60)等があげられる。 |
頁 | 誤 | 正 |
101頁 文献28 |
28)Agnelli G:Venous thromboembolism and cancer:a two-way clinical association. Thromb Haemost 1997;78:117–120 |
28)Connolly GC, Francis CW. Cancer-associated thrombosis. Hematology Am Soc Hematol Educ Program 2013;2013:684–691 |