アストラゼネカは8月29日、免疫チェックポイント阻害薬「イミフィンジ点滴静注」(一般名:デュルバルマブ)の販売を開始したと発表した。薬価は、120mg 1バイアル11万2938円、500mg 1バイアル45万8750円。
イミフィンジは、国内で初めて「切除不能な局所進行(ステージⅢ)非小細胞肺癌」に対する治療薬として承認された抗PD-L1抗体。PD-L1に結合し、PD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで腫瘍の免疫逃避機構を抑制し、抗腫瘍免疫反応を誘発する。
非小細胞肺癌の適応を有する類薬には、抗PD-1抗体の「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)と「キイトルーダ」(一般名:ペムブロリズマブ)、抗PD-L1抗体の「テセントリク」(一般名:アテゾリズマブ)があるが、これらは「切除不能な進行・再発」の場合に用いるもので、イミフィンジとは適応範囲が異なる。
販売開始にあたりアストラゼネカオンコロジー事業本部の森田慎一郎本部長は「ステージⅣとは対照的に、ステージⅢは約20年間にわたって治療進展がみられなかったアンメットニーズの高い領域。イミフィンジの登場により、ステージⅢの治療目的である根治の可能性を広げ、患者の治療意欲の向上に寄与することを期待している」とコメントしている。
「イミフィンジ点滴静注」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法
【用法・用量】1回10mg/kgを2週間間隔で60分間以上かけて点滴静注。投与期間は12カ月間まで