中性脂肪異常改善薬「エパデールT」(イコサペント酸エチル)を4月15日から一般用医薬品へ移行(OTC化)し、インターネットでの販売を認める方針が決まったことを受け、日本医師会の城守国斗常任理事は3日の会見で「納得のいくものではない」と不満を表明した。
4月2日に開かれた薬事・食品衛生審議会安全対策調査会は、エパデールTが医療用医薬品から要指導医薬品になった後の調査結果を踏まえ、有効性・安全性に問題はないと判断。第1類一般用医薬品への移行を了承した。
ただし、審議においては、参考人として出席した城守氏が「服用さえすれば治療できると誤解を招く」などと強く反対。▶販売時に購入者からセルフチェックシートの提出を必ず求める、▶添付文書で生活習慣改善の必要性を強調する、▶服用3~6カ月後の血液検査で中性脂肪値の改善がみられない場合は医師・薬剤師への相談を呼び掛ける―など、販売条件を厳格化することで決着した。
会見で城守氏は、服用期間が長期にわたりセルフコントロールが難しい生活習慣病分野の治療薬は「OTC化に適さない」と強調。調査会の議決を踏まえ「エパデールTは例外であり、今後も生活習慣病治療薬のOTC化は認められないと理解している」と説明した。今後については「要指導医薬品から一般用医薬品への移行が自動的に行われる現行制度の見直しを求めていきたい」とした。