処方せん様式の変更については相当活用されていると思う。使いにくい、切り替えにくいという阻害要因を除去するもので、その意味では先発の指定もしやすくなったはず。処方せんについては、医師が診療に割く時間が減っては困るので、処方の実務を極力阻害しないというのが大前提だ。また、一般名処方加算は最近話題に上らなくなってきたが、当面定着したということでいいのではないか。
ロードマップの新指標「置換え率60%以上」に一番ビビッドに反応したのは、実は(診療報酬を所管する)保険局医療課。2014年度診療報酬改定でDPCの機能評価係数に後発医薬品指数を追加し、60%目標に向け頑張ってくれ、と切り替えた。恐らく業界もそこまでは想像していなかったと思う。
60%目標が出たことで「この市場は伸びる」と単純に考え、新規参入組や海外、先発メーカーからも参入して混戦状態になってきた。その中で今回の薬価制度改革では、長期収載品の特例的引下げと、逆に後発品薬価の集約化・抑え込みを行ったので、「読み違えた」と思っている所もあるかもしれない。
2016年に改定があるとしたら、中医協の議論は後発品が一番のヤマになるのは間違いない。薬の供給体制や販売方式、情報提供など、こうあってほしいということを推進していくと結果的に対応できない所が出てくる。利幅は恐ろしく薄くなり、数に対応できなければ普及できない。そうして耐えられない所が淘汰される分には、そこは経営判断だ。再編については、こういうことを言うと冷たいようだが、行政の仕事ではない。
ただ、それで世の中に問題が起きないようにするのは我々の役割だ。安定供給面では、実際に現場で薬を使う方たちが困らないよう厳しく指導させていただくが、各企業が自分の判断で再編・統合する分には、それは勝手にやってくれという話だ。
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