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「開発段階でのテコ入れが必要」 ─ 「医療保険制度と産業政策は馴染まない」との指摘も 【医薬品のイノベーションの評価】

No.4820 (2016年09月10日発行) P.9

登録日: 2016-10-13

最終更新日: 2016-10-19

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  • 薬価算定ルールの抜本的見直しなど薬価制度を巡る動きが活発化している。一方、産業政策として“革新的”新薬の創出を促進する環境整備も不可欠だ。今後の薬価政策では、国民皆保険制度の持続可能性と医薬品におけるイノベーションの評価のバランスをどう取るかがカギとなる。

    高額薬剤の登場をきっかけに薬剤費の適正化に向けた動きが急ピッチで進む中、国民皆保険制度下におけるイノベーションの評価のあり方をテーマに、日本製薬工業協会が2日、政策セミナーを開催した。

    元中央社会保険医療協議会会長の遠藤久夫氏(学習院大)は財政制約と創薬の関係性を巡る講演で、「医療保険制度の目的は安くて効果がある医薬品を患者に届けること。財政制約がある医療保険制度と創薬を促進する産業政策は馴染まない」と指摘。開発段階からの税制優遇など、製薬業界に対するテコ入れが重要とした。また、高額薬剤問題については、低コストで開発・生産した場合のインセンティブを評価する仕組みの構築が急務との考えを示した。

    製薬業界を管轄する厚生労働省医政局経済課の大西友弘課長は、医薬品産業を巡る政策の動向を紹介。人口構造の変化に伴う市場の縮小・変化に加え、医療費適正化の流れが強まり、「市場環境は厳しさを増す」との見方を示した。その上で、「新薬メーカーに求められるのは“革新的”新薬を創り続けること。全メーカーがその責任を果たせるとは思えない。製薬メーカーには色々な経営面での選択肢があると思う」と指摘。選択肢の例として、海外や新規事業展開、アンメット・ニーズ(用語解説)への対応、事業の選択と集中などを挙げ、明確に言及しなかったものの国内メーカーの業界再編の必要性も示唆した。

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