国内でED(勃起不全)治療薬を製造・販売している4社(ファイザー、バイエル薬品、日本新薬、日本イーライリリー)が11月24日、日本やタイからインターネットで入手したED治療薬の約4割が偽造品とする調査結果を公表した。
同日のセミナーで講演した佐々木春明氏(昭和大藤が丘病院,写真)は、「ED患者は中等度、重症だけでも1130万人とされているが、医療機関受診率はわずか9%。特殊な疾患ではないという啓発が必要」と訴えた。
佐々木氏はまた、間違った量の有効成分や不純物、全く効果のない成分で構成された偽造医薬品が、品質保証できない不正な場所で製造されていると指摘。「正規品には含まれていない物質が含有されている場合、未知の症状(アレルギーや中毒症状等)が発現する可能性がある。治療(対処)が遅れ、死亡に至る可能性もある」との懸念を示した。国際的には薬局など正規ルートでも氾濫しているとして、「由々しき問題」と強調した。
このほか、木村和子氏(金沢大)は偽造抗生剤について紹介。「病気が治らないどころか、耐性菌の温床」と懸念を示した。