自民党厚生労働部会(渡嘉敷奈緒美部会長)は4月27日、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」(用語解説)について、三師会(日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会)からヒアリングを行った。
日医の中川俊男副会長は、医薬品のイノベーション評価の仕組みについて、公的医療保険の診療報酬を原資とする現行の新薬創出等加算ではなく、研究開発税制や補助金、日本医療研究開発機構(AMED)基金を活用すべきと提言。毎年薬価調査の実施については、「医療機関の新たな負担になる。診療報酬改定と連動しない時期に行われた場合、レセプトシステムの入れ替え等の負担も生じる」として、慎重な検討を求めた。
日薬の安部好弘常務理事は、毎年改定の懸念事項として、①新薬開発意欲の抑制、②製薬企業・卸の薬価防衛による実勢価格の高止まり、③医療機関・薬局の在庫医薬品の資産価値の減少─などを挙げ、反対の姿勢を強調した。
出席議員からは、新薬創出等加算について「国民の税金で外資を育てるような制度はおかしい」「医療費と医薬品開発の予算を別枠にすべきではないか」などの声が上がった。
同部会によるヒアリングは2回目。25日のヒアリングでは、製薬団体が新薬創出等加算の存続などを求めていた。部会はヒアリングの内容を踏まえて決議文を取りまとめ、政府が6月に策定する「骨太方針」への反映を目指す。