厚生労働省は19日の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」で、価格交渉時における「単品単価契約」の推進に向け、定義の見直し案を提示した。
見直し案では、後発医薬品への切り替えの推進や政府方針により通常の薬価調査の中間年にも価格乖離の大きな品目について薬価改定が実施されることなどに伴い医薬品取引における価格交渉が増加している現状を踏まえ、当事者の負担軽減の必要性に言及。現行3価格帯に集約されている後発医薬品のうち、「同一価格帯に定められた複数銘柄」については、複数の医薬品をまとめて価格交渉する総価契約の場合であっても単品単価契約とみなすことを提案した。
厚労省案に対し鈴木邦彦委員(日本医師会)は、「単品単価契約を推進するために(定義の拡大は)いいのではないか」と理解を示した上で、一部医療機関でアウトソーシングによる価格交渉が行われていることが単品単価契約推進の妨げになっている恐れがあると問題視した。
一方、定義見直しによる効果について質問された卸代表の中原岳志委員(日本医薬品卸売業連合会)は、「効果がないとは言いきれないが、実際にこういう交渉はほとんど行われていない。しかし負担の軽減には交渉当事者の間で一定のルールを作らないと進展しないことは確かではないか」との見方を示した。