中央社会保険医療協議会総会は17日、2018年度薬価改定で、市場拡大再算定など通常より大幅な引下げを実施する14成分27品目を了承した。昨年2月に緊急薬価改定が実施され、当初の半額となった抗癌剤「オプジーボ」は「用法用量変化再算定」の対象となり、現行価格からさらに引き下げられる見込みとなった。
再算定対象品目は下掲の通り。
用法用量変化再算定は、主たる効能・効果にかかる用法・用量の変更があった医薬品のうち、市場規模が「100億円超」かつ「効能変更等の承認を受けた日の直前の改定時点における年間販売額から10倍以上」となった品目を対象とする薬価引下げのルール。1日薬価が改定前後で同額となるよう再算定する。
2018年度改定では効能・効果の変更に伴い用法・用量が大幅に拡大した品目も対象に含めることとなった。オプジーボは当初、希少疾病の悪性黒色腫への適応で収載された後、患者数の多い非小細胞肺癌に適応拡大したことから対象品目となった。オプジーボについては、緊急改定で半額になる前の販売額を前提に算定式を適用する。オプジーボの類薬である「キイトルーダ」「バベンチオ」も対象品目となった。
特例拡大再算定は、販売額が「年間1000億~1500億円かつ予想の1.5倍以上」の場合は最大25%、「年間1500億円超かつ予想の1.3倍以上」の場合は最大50%、それぞれ薬価を引き下げるルール。今回はプロトンポンプ阻害薬「ネキシウム」「タケキャブ」が対象となり、最大25%下がる見込み。
【市場拡大再算定】(引下げ幅=*最大15%、**最大25%)
①トレリーフ*(ゾニサミド、大日本住友製薬)、②サインバルタ*(デュロキセチン塩酸塩、塩野義製薬)、③アミティーザ**(ルビプロストン、マイランEPD)、④レボレード**(エルトロンボパグ オラミン、ノバルティスファーマ)、⑤アフィニトール**(エベロリムス、ノバルティスファーマ)、⑥ボトックス**(A型ボツリヌス毒素、グラクソ・スミスクライン)、⑦ブリディオン**(スガマデクスナトリウム、MSD)、⑧リツキサン**(リツキシマブ、全薬工業)、⑨ビダーザ**(アザシチジン、日本新薬)
【特例拡大再算定】
①ネキシウム(エソメプラゾールマグネシウム水和物、アストラゼネカ)、②タケキャブ(ボノプラザンフマル酸塩、武田薬品工業)
【用法用量変化再算定】
①オプジーボ(ニボルマブ、小野薬品工業)、②キイトルーダ(ペムブロリズマブ、MSD)、③バベンチオ(アベルマブ、メルクセローノ)