エーザイと米メルクは3月8日、がん領域における戦略的提携に合意したと発表した。両社はこの提携に基づき、エーザイ創製の抗がん剤「レンビマ」(一般名:レンバチニブ)の単剤療法、およびメルクの抗がん剤「キイトルーダ」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法における共同開発・共同販促を行う。
同日、記者懇談会に臨んだエーザイの内藤晴夫CEO(写真)は、レンビマの共同開発による新規適応症の早期取得と両社のネットワークを活用したアクセス拡大により「レンビマの売上収益、利益ともに大幅に向上する」と強調。2017年度見通しで300億円強の売上収益は、すべての計画が成功した場合、約5000億円に拡大するとの見通しを示した。
レンビマとキイトルーダの併用療法については、6種のがん(子宮内膜がん、非小細胞肺がん、肝細胞がん、頭頸部がん、膀胱がん、メラノーマ)における11の適応取得を目的とした臨床試験、複数のがんに対するバスケット型臨床試験を同時並行で実施する方針だ。
記者懇談会で内藤CEOはこのほか、睡眠障害治療薬Lemborexant(オレキシン受容体拮抗剤)の承認申請を2018年度に行う考えを示した。
「レンビマ」の効能・効果(3月23日付で下線が追加)
①根治切除不能な甲状腺がん(用法・用量:1日1回24mgを経口投与) ②切除不能な肝細胞がん(用法・用量:体重60kg以上の場合は12mg、体重60kg未満の場合は8mgを1日1回経口投与)