質疑応答【動画版】では、現場の臨床医の先生方から実際に寄せられた質問・疑問を取り上げ、専門家が最新の知見・データに基づいてわかりやすく解説します。
今日のテーマは「アセトアミノフェンが効かない!透析患者の頭痛」。日本生命病院腎臓内科部長の宇津貴先生にご回答いただきます。
(視聴時間5分・2021年12月9日収録)
【Question】
- 透析治療中の患者が頭痛を訴えた場合、原因をどう考え、どのような点に注意しながら対応すればいいですか?(00:28)
- 頭痛を訴える透析患者に薬剤を使用する場合の注意点は? アセトアミノフェンを処方しても効果がない場合に安全に使える薬はありますか?(02:31)
- その他、透析患者の頭痛対策に関してかかりつけ医へのアドバイスはありますか?(04:00)
【宇津先生に編集部から質問】
- 「現在の診療科(腎臓内科)を選んだ理由」「今後取り組みたいこと」を教えてください。(04:50)
編集メモ~ここがポイント!
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頭痛が急性か慢性か、随伴症状があるかどうかが重要
- 透析関連頭痛は、透析中に生じ透析終了後72時間以内に消失。血清のNa濃度異常や低Mg血症が関係
- 頭痛を訴える透析患者にはアセトアミノフェンやNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)が選ばれることが多い
- アセトアミノフェン自体は、透析患者への使用で合併症を起こすという報告は少ない
- 非選択的NSAIDsは残存腎機能低下や小腸出血が危惧される。COX-2選択性NSAIDsを使用する方が無難
- トラマドールを腎機能障害のある患者に使用する場合は、通常用量の50%以下に減量する
- 筋緊張性頭痛に関しては三環系抗うつ薬アミトリプチンも効果がある
- 治療に困った際には専門医に相談を
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