大日本住友製薬は7月31日、非定型抗精神病薬「ロナセン」(一般名:ブロナンセリン)のテープ製剤について国内での製造販売承認申請を行ったと発表した。
ロナセンは、大日本住友が創製した経口の抗精神病薬。統合失調症を適応症として2008年4月より国内で販売されている。ロナセンの薬物動態のさらなる安定化を図るため、大日本住友は2010年より日東電工と経皮吸収型テープ製剤の共同開発を進めてきた。
申請したテープ製剤は、1日1回、皮膚に貼付することにより24時間安定した血中濃度を維持できるため、良好な有効性・安全性が期待できるとされている。
大日本住友はテープ製剤のメリットとして①投薬中であることを視認できる、②食事の影響を受けにくいことから、食生活が不規則な患者や経口服薬が困難(嚥下困難等)な患者への投与も可能になる─などを挙げている。
成人の統合失調症患者580人を対象に日本を含む数カ国で実施された第Ⅲ相試験では、ロナセンのテープ製剤40mg/日投与群、80mg/日投与群のいずれもプラセボ投与群に対し統計学的に有意な改善を示し、テープ製剤投与群での有害事象は皮膚関連事象も含め全般的に軽度だったとされている。
「ロナセン」の概要
ドパミンD2/D3受容体およびセロトニン5-HT2A受容体に対する親和性を有し、臨床試験で統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想など)、陰性症状(情動の平板化、意欲低下など)への改善作用が示されている