武田薬品工業は7月13日、オランダのNorgine社と結んでいた肥満症治療薬「オブリーン錠120mg」(一般名:セチリスタット)の日本における開発・製造・販売に関するライセンス・開発契約を、未発売のまま終了させると発表した。契約終了日は2018年10月13日。
オブリーンは米国Alizyme社が創製したリパーゼ阻害剤(2009年に全権利をNorgine社に譲渡)。脂肪の分解酵素であるリパーゼを阻害し、消化管からの脂質の吸収を抑制することで体重を減少させるとともに、内臓脂肪を減少させ、各種生活習慣病パラメータを改善する。
武田薬品は2013年9月に日本での製造販売承認を取得。脂質吸収を抑制する日本で初めての肥満症治療薬として注目されたが、同年11月の中医協で、肥満症の薬を保険収載すること自体に疑義が出されるなど慎重な意見が相次いだことから薬価収載が見送られ、未発売のままとなっていた。
今回の契約終了について武田薬品の岩﨑真人JPBUプレジデント(写真)は「オブリーンについては契約終了となったが、武田薬品は当社が有する多様な生活習慣病治療薬を通じて引き続き日本の患者の健康に貢献していく」とコメントしている。
「オブリーン」の効能・効果/用法・用量(承認時)
【効能・効果】肥満症(2型糖尿病および脂質異常症を共に有し、食事療法・運動療法を行ってもBMIが25kg/㎡以上の場合に限る) 【用法・用量】1回120mgを1日3回毎食直後に経口投与