3月は、2014年度の業績を振り返るとともに、2015年度の経営戦略について説明する製薬メーカーの記者会見や事業説明会が相次いで開かれた。
エーザイの内藤晴夫社長(写真)は3月5日の記者会見で、国内主力製品である「アリセプト」と「パリエット」について「ここ数年、後発医薬品に押しまくられてきたが、(昨年の)アリセプトのレビー小体型認知症の適応追加、パリエットの低用量アスピリン潰瘍再発抑制の適応追加で、新医薬品としての1つの橋頭堡を築く可能性が出てきた」とコメント。「新医薬品としてデビューし直そうという試み」と位置づけるこれらの適応追加により、アリセプト、パリエットの売上高を維持していく考えを示した。
また、新規抗がん剤の「ハラヴェン」や「レンビマ」(3月26日に「根治切除不能な甲状腺癌」の効能・効果で承認取得)の各地域での営業も強化していく方針を示した。
一方、ファイザーの梅田一郎社長は3月4日の記者会見で、2014年度(13年12月〜14年11月)の売上高は5020億円で、薬価改定などの影響により前年度比5%の減収となったと発表。「2015年度は、適応追加などを含め5品目以上の承認取得を目指す」とした。
MSDのトニー・アルバレズ社長は3月5日の事業説明会で、2015年度の重点領域として「糖尿病」「ワクチン」「がん」「新製品」を掲げ、新製品領域では不眠症治療薬「ベルソムラ」の市場での確立に取り組んでいく考えを示した。
●エーザイの「次世代アルツハイマー型認知症治療薬」開発状況
①E2609(BACE阻害剤):フェーズⅡ進行中 ②BAN2401(抗Aβプロトフィブリル抗体):フェーズⅡ進行中 ③BⅡB037(抗Aβ抗体):フェーズⅠb進行中(Biogen Idec社、エーザイがオプション権を保有)
ギリアド・サイエンシズは3月26日、同日付でジェノタイプ2型C型慢性肝炎治療薬「ソバルディ錠400mg」(一般名:ソホスブビル)の製造販売承認を取得したと発表した。
ジェノタイプ2型C型慢性肝炎に対する従来の治療は、24〜48週間に及ぶペグインターフェロンの注射による治療法が主だが、ソバルディは、インターフェロンを必要とせず、リバビリンとの併用で12週間投与を可能とする初めての経口薬のみの治療法となる。
国内で実施された第Ⅲ相臨床試験では、ソバルディとリバビリン600〜1000mg/日の経口投与による治療を12週間受けたジェノタイプ2型の患者の96.4%(140例中135例)が持続的ウイルス学的著効を達成したとされている。
ギリアドは、ジェノタイプ1型のC型慢性肝炎治療を対象とした、インターフェロンおよびリバビリンが不要なレジパスビル・ソホスブビル配合剤の承認申請も昨年9月に行っており、夏頃に認可されるとみられている。
●「ソバルディ錠」の効能・効果/用法・用量
[効能・効果]ジェノタイプ2のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
[用法・用量]リバビリンとの併用において、通常、成人には400mgを 1日1 回、12週間経口投与