日本イーライリリーと大日本住友製薬は9月16日、「2型糖尿病」を適応症とする週1回投与のGLP─1受容体作動薬「トルリシティ皮下注0.75mgアテオス」(一般名:デュラグルチド)を発売した。薬価は1キット3586円。
トルリシティは、週1回投与という利便性に加え、「アテオス」と呼ばれる1回使い切りのオートインジェクター型注入器(写真)で提供するのが特徴。注入ボタンを押すことで自動的に注射針が皮下にささり、あらかじめ1回量が充填されている薬液が注入される。
トルリシティの有効性・安全性は、国内で実施した3つの試験で検討。①単独療法試験では、HbA1cの低下を指標として、プラセボに対する優越性、リラグルチド(商品名:ビクトーザ)に対する非劣性、②SU薬および/またはビグアナイド薬との併用療法試験では、同じくHbA1cの低下を指標として、インスリングラルギン(商品名:ランタス)に対する非劣性(副次項目として優越性)─を示したとされている。
トルリシティの製造販売承認は日本イーライリリーが取得。販売・流通は大日本住友製薬が行い、医療従事者への情報提供活動は両社で行っていく。
●「トルリシティ皮下注0.75mgアテオス」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】2型糖尿病
【用法・用量】通常、成人には0.75mgを週に1回、皮下注射する
サノフィは9月7日、持効型溶解インスリンアナログ製剤「ランタスXR注ソロスター」(一般名:インスリングラルギン)を発売した。薬価は3102円(450単位1キット)。
ランタスXRは、同社の「ランタス」をさらに進化させた新規基礎インスリン製剤。有効成分はランタスと同じだが、濃度を3倍にしており、緩徐な溶解プロセスにより、平坦で24時間を超える作用プロファイルを示す。
日本人の1型・2型糖尿病患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験では、ランタスXRはランタスと比較して同程度の血糖コントロールを達成。その一方で、低血糖発現頻度はランタスより少なく、体重への影響も少ないという結果が示されている。
同社が9月10日に開いたメディアセミナーで講演した河盛隆造氏(順天堂大大学院スポートロジーセンター長=写真)は、患者はインスリン治療に対し「1日を通じて低血糖リスクが少ないこと」などを求めているとしながら、ランタスXRの登場で「より良好な血糖コントロール、低血糖リスクの軽減とともに、さらに積極的に適切量のインスリンを補充することが可能となった」と期待を寄せた。
●「ランタスXR注ソロスター」の用法・用量
通常、成人では、初期は1日1回4〜20単位を皮下注射するが、時に他のインスリン製剤を併用。注射時刻は毎日一定とする。投与量は患者の症状・検査所見に応じて増減