武田薬品工業と大塚製薬は6月7日、ヘリコバクター・ピロリ除菌用パック製剤「ボノサップパック400、同800」「ボノピオンパック」の国内での販売を開始した。
両パック製剤は、武田薬品が創製し昨年2月に発売した新しい作用機序の酸分泌抑制薬「タケキャブ錠」(一般名=ボノプラザンフマル酸塩)と2剤の抗菌薬を、1日服用分ごとに1シートにまとめたもの。「ボノサップパック」(写真)はタケキャブと「アモリンカプセル」(一般名=アモキシシリン水和物)と「クラリス錠」(一般名=クラリスロマイシン)の3剤を組み合わせた一次除菌用パック製剤、「ボノピオンパック」は、タケキャブとアモリンと「フラジール内服錠」(一般名=メトロニダゾール)の3剤を組み合わせた二次除菌用パック製剤。
大塚製薬は共同プロモーション契約に基づき、武田薬品とともに、両パック製剤の情報活動を展開する。
武田薬品は2002年より、ピロリ除菌の際に用いる2剤の抗菌薬と酸分泌抑制薬「タケプロン」のパック製剤を販売してきたが、今後は「タケキャブ」を含む新パック製剤の販売に力を入れていく方針。同社取締役の岩﨑真人氏は「強力かつ持続的な酸分泌抑制作用を示すタケキャブを含む本パック製剤を患者にお届けすることで、日本のピロリ除菌療法により一層貢献していきたい」としている。
●「ボノサップパック」「ボノピオンパック」の薬価
①「ボノサップパック400」:1シート733.80円 ②「ボノサップパック800」 :1シート884.00円 ③「ボノピオンパック」:1シート654.60円
グラクソ・スミスクライン(GSK)は6月13日、男性における男性型脱毛症(AGA)治療薬「ザガーロカプセル0.1mg、同0.5mg」(一般名=デュタステリド)の販売を開始した。
ザガーロは、AGA治療では初の5α還元酵素1型/2型阻害薬。昨年9月に承認を取得していたが、委託生産先のフランスの工場での供給体制が整わず発売を延期していた。薬価未収載のため自由診療で用いる。
AGAには男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)が関与しており、ザガーロは、1型/2型の5α還元酵素を阻害することでDHTの生成を抑制する。臨床試験では、発毛の評価指標として設定した毛髪数の増加、育毛の評価指標として設定した硬毛数や毛髪の太さの増加など、AGAに対する効果が確認された。投与開始後12週間で改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには通常6カ月間の治療が必要とされている。
主な副作用としては、勃起不全(国内長期投与試験で10.8%)、リビドー減退(同8.3%)、射精障害(同4.2%)が報告されている。
●「ザガーロカプセル」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】男性における男性型脱毛症
【用法・用量】男性成人には通常0.1mgを1日1回経口投与。必要に応じて0.5mgを1日1回経口投与