国立長寿医療研究センター副院長(泌尿器外科部長)の吉田正貴氏(写真)は2月28日、キョーリン製薬ホールディングスとキッセイ薬品工業が開いたフォーラムで講演し、両社が昨年11月に発売した過活動膀胱(OAB)治療薬「ベオーバ錠50mg」(一般名:ビベグロン、薬価:50mg 1錠185.70円)について解説した。
ベオーバ錠の有効成分ビベグロンは、米メルク社が創製した新規化合物。2014年に杏林製薬が国内開発権を取得し、2016年よりキッセイ薬品と共同開発を進めてきた。
OAB治療薬は抗コリン薬(既承認薬:ソリフェナシンなど)とβ3受容体作動薬(既承認薬:ミラベグロン)に分かれる。ベオーバ錠は1日1回投与の新規β3受容体作動薬で、膀胱のβ3アドレナリン受容体に選択的に作用し膀胱を弛緩させることで、尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁の症状を改善する。
ベオーバ錠について吉田氏は、国内第Ⅲ相試験ですべての排尿パラメータで4週から有意な改善を示したことなどを説明。「高齢者の抗コリン負荷は認知機能障害やせん妄にも影響する可能性があるが、β3受容体作動薬は抗コリン負荷がなく、高齢者にも安全に使用できる可能性がある」と述べ、ベオーバ錠が高齢者にも比較的安全に使える点を強調した。
「ベオーバ錠」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁
【用法・用量】50mgを1日1回食後に経口投与