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■NEWS  “偽りなき学術情報”の共有を目指す―神奈川県内科医学会が「知の羅針盤」プロジェクトを始動

No.4959 (2019年05月11日発行) P.64

登録日: 2019-04-19

最終更新日: 2019-04-19

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神奈川県内科医学会の宮川政昭会長は18日、都内で会見を開き、薬剤やデバイスに関する情報を実地医療の視点で語る学術講演会プロジェクト「知の羅針盤」を始動したと発表した。製薬企業による発表内容の事前チェックやプロモーションコードの適応などの介入を排し、日常診療で使える「偽りのない情報」の共有を目指す。

会見で宮川氏は、「製薬企業は講演会を自社製品のプロモーションの場と捉えて介入してきた」と批判。一方、製薬業界の自主基準や国のガイドラインによるプロモーションの適正化が進められる中で、企業が「広告」と「情報提供」を混同したまま過剰な自主規制に走った結果、「臨床医に必要な情報が届かなくなり、薬剤や治療の発展につながるような学術的な意見交換まで制限されている」と指摘した。

事態を憂慮した神奈川県内科医学会が製薬業界に建設的な対応を求めたものの、「既成概念から抜け出してもらえず、明快な回答を得られないまま今日に至り、自分たちで新たな組織を設立するに至った」(宮川氏)という。

第1回の講演会は既に3月23日に実施している。第2回は5月25日に「180分でわかる、呼吸器疾患のイロハ」をテーマに横浜市内で開催し、喘息の診断や吸入器の比較検討などについて講演が行われる予定となっている。

講演会の参加募集は、神奈川県内科医学会の広報や神奈川県保険医協会の連絡網を用いて行う。講演会はスポンサーなしで開催するが、プロジェクトの趣旨に賛同した団体からの協賛金は受け付ける。

「志の高い講演会に育てていきたい」と話す宮川氏

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