香川大精神神経医学教授の中村祐氏は4月27日、小野薬品工業が日本医学会総会(名古屋市)の中で開いたランチョンセミナーで講演し、小野薬品が3月に承認を取得し発売準備を進めている「リバスタッチパッチ」(一般名:リバスチグミン)の新基剤製剤について解説した。
リバスチグミンは、小野薬品とノバルティスファーマが共同開発した経皮吸収型の貼付剤。2011年にアルツハイマー型認知症治療薬として承認され、小野薬品から「リバスタッチパッチ」、ノバルティスファーマから「イクセロンパッチ」の製品名で発売された。
新基剤製剤は、シリコン系基剤を使用した現行製剤に対し貼付部位の紅斑や瘙痒症などの皮膚症状の副作用報告が寄せられたことから開発を進めてきたもので、皮膚刺激性を軽減するため合成ゴム基剤を使用している。
講演で中村氏は、現行製剤は海外でつくられたため産毛の薄い日本人には粘着力が強すぎる面があり、「皮膚へのダメージが大きい」「パッチの周りに『黒い粘着物』が残りやすい」などの問題点があったと説明。新基剤製剤の発売により特に高齢者や皮膚の弱い人で治療継続性が高まることに期待を示した。また新基剤製剤は入浴中にはがれやすくなるため「入浴前後に貼り替えていただくのがいい」とコメントした。
「リバスタッチパッチ」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】軽度・中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
【用法・用量】通常1日1回4.5mgから開始、4週ごとに4.5mgずつ増量、維持量として1日1回18mgを貼付