ジェネリック医薬品の製造はどのような体制・環境下で行われているのか。本誌は7月17日、神保消化器内科医院(東京・江戸川区)院長で「実地医家のための会」元世話人代表の神保勝一先生とともに、昨年3月に稼働を開始したばかりの沢井製薬関東工場を見学・取材した。(本誌・山崎隆志)
関東工場(千葉県茂原市)は、主に錠剤を生産する沢井製薬最大の工場(延床面積2万7931m2)。現在年間23億錠の生産能力を持ち、さらに40億錠まで増強すべく機械の追加導入等を進めている。
見学当日は、管理棟で工場の概要について一通り説明を受けた後、工場棟に移動。神保消化器内科医院で実習中の医学生・今井聡子さん(慈恵医大5年生)も参加し、見学通路から、各作業室のほか、作業室の環境を清潔に保つための空調機や圧縮エアを作る装置など“裏方”の部分も見学した。
「空調機は、粗フィルタと中性能フィルタを通過した空気をいったん冷却し、必要な温度・湿度まで上げて、管理された空気を各作業室に送り込んでいます。この工場では、製造の現場だけでなく、製造のためにはこんな設備が必要というところも見学していただいています」(塩沢弥工場長)
製造工程の中では、医療過誤を防止するため錠剤に製品識別コードや一般名を直接印刷する技術についても詳しい紹介があり、錠剤中に酸化チタンを分散させ、UVレーザー光で印字するとの説明に、神保先生も「飲んでも大丈夫なんですね」と納得。
包装工程では、次々と流れてくる錠剤に汚れ・割れ等がないか、自動検査装置だけでなく作業員による目視のチェックも行っていた。「流れるのを見ていると酔いますよね」との神保先生の質問に、塩沢工場長は「こまめに休憩しながら交代制で作業をしています」と説明。見学ルートには安定性試験や溶出試験の作業室などもあった。
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