後発品を巡る問題点の1つは、同一成分に対してあまりにもたくさんの品目があること。価格も非常に幅があり、それだけ価格が違えば品質にも差があるのではないかと不安になる。今回の価格設定見直しによってメーカーや薬剤の数が整理されていけばよいのではないか。
長期収載品の価格が下がることは一定程度必要と思うので、長期収載品特例的引下げの新ルールが導入されたのは評価できる。保険薬局の後発医薬品調剤体制加算の見直しについては、要件の厳格化で積極的に加算をとる所とあきらめる所とで対応が分かれてくるかもしれないが、もう少し影響を見ていきたい。DPCの機能評価係数Ⅱに「後発医薬品指数」が新たに設けられたのは良かった。DPC病院での後発品使用が進むのではないか。
今回の改定における後発品関連施策は概ね評価するが、国の目標を達成するためにはさらなる取り組みが必要だろう。
2013年度の中医協の検証調査によると、一般名で処方された医薬品は10.6%と、前年に比べ4.1ポイント減っている。これは、医師はやはり一般名になじみがないこと、さらに処方せんの様式が変わり後発品への変更がしやすくなったので必ずしも一般名で処方する必要がないこともあり、減少したのかもしれない。一方、後発品医薬品名での処方は19.9%と前年より5.1ポイント増加している。後発品の中でも「これは信頼できる」というものを指定して処方しようと現場の先生方は考えているのではないか。
品質については、添加物の違いや使用感の違いに不安を持つ先生も多いので、先発品と同等であることを厚労省がしっかり保証してほしい。供給体制や情報提供については、メーカーがある程度集約されればしっかり行われていくのではないか。医師の不安に対応できるメーカーに残ってほしい。
医療機関や地域によっては後発品の情報を積極的に公表している。例えば、国立がん研究センターや広島県等の県立病院は採用した後発品のリストを公開し、栃木県では後発品の選定ポイントについて情報を提供している。こうした情報を基に、たくさんある後発品から信頼できるものを選ぶ取り組みが進むのではないか。
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