中央社会保険医療協議会は1月22日に開いた総会で、2020年度の薬価及び保険医療材料制度の改革案を了承した。近く通知を発出して関係者への周知を図る。同日の総会には、今回の薬価改定で再算定の対象になった品目や、診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会による医療技術の最終評価結果も報告された。
薬価制度と保険医療材料制度の改革案は、いずれも総会ですでに了承済みの骨子を文章化したもの。このうち薬価制度では、▶「新薬創出・適応外薬解消等促進加算(以下、「新薬創出等加算」)」を比較薬として「類似薬効比較方式(I)」で薬価算定された新薬が、収載後3回目の薬価改定までに新薬創出等加算の対象になっていない場合は、収載時点での比較薬の累積加算分を控除、▶後発品置き換え率が80%以上の長期収載品は、後発品上市から10年を待たずG1ルールを前倒し適用、▶既収載の後発品の薬価が価格帯の集約で改定前よりも上昇するのを抑制するルールを導入、▶新薬創出等加算の企業指標と品目要件の見直し―などを実施する。
一方、今回の薬価改定で再算定対象となったのは、▶市場拡大再算定・14成分、40品目、▶市場拡大再算定の特例・2成分、8品目、▶効能変化再算定の特例・1成分、4品目。市場拡大再算定の特例は、血液凝固阻止剤の「エドキサバントシル酸塩水和物」(リクシアナ錠15mgなど)と抗癌剤の「ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)」(キイトルーダ点滴静注20mgなど)に適用された。「オマリズマブ(遺伝子組換え)」(ゾレア皮下注用75mgなど)は、昨年12月の効能追加で、主たる効能効果が当初の「気管支喘息」から「季節性アレルギー性鼻炎」に変化したことで、効能変化再算定の特例の対象になった。
また、診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会の報告によると、学会からの提案などに基づいて評価した技術743件のうち、2020年度診療報酬改定で対応する優先度が高い技術に選定されたのは264件だった。