新薬開発・販売 FR NTLINE
このコーナーは毎月第1週号に掲載しています。お問い合わせは日本医事新報「新薬」係(�03-3292-1556)まで。
サノフィのジェズ・モールディング社長(写真)は4月2日の年次記者会見で、日本国内で2014年中に新規医薬品5品目・ジェネリック(後発医薬品)5品目・ワクチン2品目の承認取得を予定していることを明らかにした。
新規医薬品5品目のうち特に力を入れているのが、2型糖尿病を対象としたSGLT2阻害剤「アプルウェイ」(一般名=トホグリフロジン水和物)と前立腺がん治療薬「cabazitaxel」。
アプルウェイは、既に3月に製造販売承認を取得、5〜6月頃に薬価収載の見通しとなっている。同剤についてモールディング社長は「低血糖リスクが低く、体重減少作用も有することが期待される」とし、早期の市場浸透に期待を寄せた。
cabazitaxelは、前治療歴のある前立腺がん患者を対象とした新薬で、サノフィは昨年7月に承認申請を行っている。「Jevtana」のブランド名で80以上の国や地域で承認され、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対する治療戦略の中核に位置づけられているという。
一方、モールディング社長はワクチンについて、「侵襲性髄膜炎菌感染症用ワクチン」と、第一三共、北里第一三共ワクチンとのパートナーシップによる「4種混合(DTP–IPV)ワクチン」の上市を目指していると説明した。
●サノフィ国内主力製品の2013年売上高
「プラビックス」1168億円(前年比14.3%増) 「アレグラ」471億円(17.8%減) 「マイスリー」320億円(14.2%減) 「タキソテール/ワンタキソテール」206億円(4.5%減) 「ランタス」202億円(10.1%増)
バイエル薬品のカーステン・ブルン社長は4月7日の記者会見で、2012年発売の経口抗凝固剤「イグザレルト錠」、眼科用VEGF阻害剤「アイリーア硝子体内注射液」の2製品の売上が大きく貢献し、2013年は目標の2000億円を上回る売上高(薬価ベースで2215億円、前年比16.5%増)を達成したと発表した。2014年以降も「市場成長率を上回る成長」を目指す方針だ。
2014年は、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する初の治療薬として「アデムパス錠」の承認を1月に取得。2014年に予定している第Ⅱ相・第Ⅲ相臨床試験は42件で、その中には、イグザレルト錠、アイリーア硝子体内注射液や、抗悪性腫瘍剤「スチバーガ錠」、月経困難症治療剤「ヤーズ配合錠」などの適応追加に向けた臨床試験も含まれている。
ブルン社長は「今後も有望な開発パイプラインの進展や将来のイノベーションへの投資を通じて、日本の患者・家族のQOL向上に寄与していく」と述べ、大学の研究機関やベンチャー企業とのネットワークの強化、革新的な開発候補物質や開発資産の探索を目的とした「オープン・イノベーション・センター」の立ち上げも予定していることを明らかにした。
●バイエル薬品国内主力製品の2013年売上高
「ゼチーア錠」294億円(前年比6.8%増) 「ホスレノール」254億円(10.7%増) 「イグザレルト錠」187億円(799.4%増) 「アイリーア硝子体内注射液」173億円(3954.0%増) 「ヤーズ配合錠」75億円(29.4%増)