第一三共は5月27日、抗血小板剤「エフィエント錠3.75mg/5mg」(一般名=プラスグレル塩酸塩)の販売を開始した。
同剤は、ステントを用いた経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用となる虚血性心疾患患者に投与するもので、早期から心血管イベント抑制作用を示すのが特徴。5月28日に同社が開いたメディアワークショップで、PCI施行予定の急性冠症候群(ACS)患者を対象にエフィエント群とクロピドグレル群を比較したPRASFIT–ACS試験について解説した東邦大医療センター大橋病院教授の中村正人氏(写真)は、エフィエントは効果発現が早く、遺伝子多型の影響を受けないため「確実な効果が期待できる」とした。
中村氏は、PCI患者の25%を占めるACSは「間違いなくエフィエントの対象になる」とし、残りの75%の待機的なPCI患者についても「リスクが高い人の場合は、たとえ2週間の投薬制限がある期間であってもエフィエントを優先して使いたい」と述べた。ただ、ワルファリンなどの抗凝固薬との併用のデータがないため、抗凝固薬を使用している患者に投与する際は注意が必要とした。
第一三共の木村悟マーケティング部長は「日本のPCI治療における標準薬を目指す。先生方に確実に情報伝達していきたい」としている。
●エフィエントの効能・効果
経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患:急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)、安定狭心症、陳旧性心筋梗塞
東和薬品は、勃起不全(ED)治療薬「バイアグラ」(一般名=シルデナフィルクエン酸塩)の国内初のジェネリック医薬品(後発品)を開発し、5月19日付で製造販売承認を取得、26日から販売を開始した。
製品名はシルデナフィルOD錠50mgVI「トーワ」。シルデナフィルクエン酸塩を主成分とした、適応症が異なる製品があるため、先発・代表薬剤「バイアグラ(VIAGRA)」の頭文字「VI」を付記した。ED治療薬として初めてのOD錠(口腔内崩壊錠)であり、25mg投与もできるよう割線が入っている(写真)。ED治療は自由診療であるため、薬価は付いていない。
東和薬品は「シルデナフィルクエン酸塩を含むED治療剤では偽造医薬品や非正規流通による健康被害が問題視されている。その中で、独自のRACTAB(ラクタブ)技術などを用いて開発した本製品が、偽造医薬品対策につながることを期待している」とコメント。販売に当たっては、直販体制の下で適正流通に努めていくとしている。
●シルデナフィルOD錠50mgVI「トーワ」の用法・用量
通常、成人には1日1回25〜50mgを性行為の約1時間前に経口投与。高齢者(65歳以上)、肝障害のある患者及び重度の腎障害のある患者については25mgを開始用量とする。投与間隔は24時間以上