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DPP─4阻害剤グラクティブ、ジャヌビア、ネシーナの併用制限解除 [新薬FRONTLINE]

No.4706 (2014年07月05日発行) P.15

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-23

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小野薬品工業 MSD 武田薬品工業:DPP─4阻害剤グラクティブ、ジャヌビア、ネシーナの併用制限解除

選択的DPP─4阻害剤の「グラクティブ錠」(一般名=シタグリプチンリン酸塩水和物、会社名=小野薬品工業)、「ジャヌビア錠」(同、MSD)、「ネシーナ錠」(アログリプチン安息香酸塩、武田薬品工業)は5月23日、「2型糖尿病」を効能・効果とした一部変更承認を取得した。

これら3製剤は、これまで速効型インスリン分泌促進薬との併用療法の適応がなかったが、臨床試験で安全性・有効性が確認され、すべての経口2型糖尿病治療薬およびインスリン製剤との併用療法が可能となり、効能・効果の記載はただし書きなしの「2型糖尿病」となった。

速効型インスリン分泌促進薬単剤治療で十分な血糖コントロールが得られない2型糖尿病患者を対象にグラクティブを併用投与したプラセボ対照二重盲検比較試験では、治療12週時の変化量でHbA1c改善効果などが示され、副作用発現率はグラクティブ群5.3%、プラセボ群5.0%、低血糖症はグラクティブ群4%、プラセボ群1.3%だった。

グラクティブを販売する小野薬品工業は「効能・効果の変更で、2型糖尿病の単剤療法・併用療法において患者さんの病態に応じたさらなる幅広い治療オプションを提供することが可能となった。今後も的確な情報提供活動を推進し、糖尿病治療に貢献していきたい」としている。

●「グラクティブ錠」「ジャヌビア錠」「ネシーナ錠」の用法・用量
グラクティブ錠、ジャヌビア錠:通常、成人には50mgを1日1回経口投与(効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら100mg1日1回まで増量可能) ネシーナ錠:通常、成人には25mgを1日1回経口投与

ゼリア新薬工業/アステラス製薬:FD治療剤アコファイド、6月から投薬制限解除

ゼリア新薬工業とアステラス製薬が2013年6月に発売した機能性ディスペプシア(FD)治療剤「アコファイド錠100mg」(一般名=アコチアミド塩酸塩水和物)の投薬期間制限が6月1日、解除された。これを受け、両社は、日本消化器病学会でFDガイドライン作成委員長を務めた三輪洋人氏(兵庫医大教授=写真)を招いて6月6日にメディアセミナーを開いた。

アコファイドはFDを適応症とする世界初の治療薬。長期投薬が可能となったことで専門医以外への使用拡大が見込まれるが、一般の内科医にとっては内視鏡検査の実施が高いハードルとなっている。

三輪氏は、ガイドラインでは「消化器科専門医での対応」と「プライマリケアでの対応」の2つの診断・治療のフローチャートを作成し、プライマリケアでの対応では内視鏡検査がすぐにできない場合は「FDの疑いで4週をメドに初期治療を行ってもいい」という選択肢をつくったと説明した。ただ、疑い病名では保険請求ができないため「FDの疑いでアコファイドを出したら確実に(審査で)切られる」ともコメント。内視鏡検査の扱いを巡っては今も学会内で議論が続いていることを明らかにした。

●「アコファイド錠」の効能・効果と用法・用量
[効能・効果]FDにおける食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感
[用法・用量]通常、成人には1回100mgを1日3回、食前に経口投与

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