ファイザーの梅田一郎社長は12月3日に開いた記者懇談会で挨拶し、この1年間の同社製品の動きを振り返った。
ファイザーが2013年12月〜2014年11月の1年間に承認取得した新有効成分の医薬品は、慢性骨髄性白血病(CML)治療薬「ボシュリフ」(9月承認・12月5日発売)の1製品。新効能/用法・用量の追加の承認を取得した医薬品は7製品となっている。
このうち、65歳以上の高齢者への適応拡大が2014年6月に承認された肺炎球菌ワクチン「プレベナー13」について梅田社長は、「この新しい肺炎球菌結合型ワクチンの定期接種化に向けた評価が速やかに行われることを期待している」と強調した。
プレベナー13は、7月の厚生科学審議会の部会の議論で「高齢者における臨床での予防効果に関する評価は確立していない」と結論づけられ、定期接種への導入は見送られている。導入に向けた評価・検討は、有効性・安全性などに関するデータを基に改めて行われる予定。
挨拶の中で梅田社長は、従来の生活習慣病治療薬に加え、プレベナー13や骨粗鬆症治療薬「ビビアント」、過活動膀胱治療薬「トビエース」などを通じて、国民の健康寿命延伸に積極的に貢献していく考えも示した。
●ファイザーの新薬開発品のうち申請中の製品
フルコナゾール:「腟カンジダ症」の適応追加、ボリコナゾール:「造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防」の適応追加、塩酸セルトラリン:「外傷後ストレス障害(PTSD)」の適応追加
沢井製薬は12月12日、11日に薬価収載された同社の後発医薬品(ジェネリック医薬品)7成分17品目の販売を開始した。
このうち最も力を入れているのが、武田薬品工業の高血圧症治療薬「ブロプレス」(一般名:カンデサルタンシレキセチル)の後発品。沢井製薬は、普通錠(カンデサルタン錠「サワイ」)と併せて、水なしでも服用できるOD錠(カンデサルタンOD錠「サワイ」)を発売。「服薬コンプライアンス向上に寄与するため、先発品にはないOD錠を開発した」として、先発品や他の後発品との違いを強調している。
ブロプレスの後発品では、あすか製薬が9月にオーソライズド・ジェネリック(先発品メーカーから特許使用許諾を受けて製造される後発品)としてカンデサルタン錠「あすか」を先行発売しシェアを伸ばしている。
12月の収載では33社144品目がブロプレスの後発品市場に参入(銘柄数が10を超えたため、薬価は先発品の0.5掛け)。OD錠はエルメッドエーザイ、小林化工も発売しており、今後各社のシェアがどう変化するかが注目される。
●12月11日に収載されたブロプレス後発品の品目数
①2mg1錠:36品目(うちOD錠3品目) ②4mg1錠:36品目(うちOD錠3品目) ③8mg1錠:36品目(うちOD錠3品目) ④12mg1錠:36品目(うちOD錠3品目) 計144品目(33社)