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新規作用機序の酸関連疾患治療剤の承認取得 [新薬FRONTLINE]

No.4737 (2015年02月07日発行) P.78

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-09

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武田薬品工業/大塚製薬:新規作用機序の酸関連疾患治療剤「タケキャブ」の承認取得

武田薬品工業と大塚製薬は12月26日、武田薬品が酸関連疾患治療剤「タケキャブ錠10mg、同錠20mg」(一般名:ボノプラザンフマル酸塩)の製造販売承認を同日付で取得したと発表した。薬価収載を経て、早ければ3月までに発売される見通し。

タケキャブは、武田薬品が創製した、新しいメカニズムのカリウムイオン競合型アシッドブロッカー。胃壁細胞における酸分泌の最終段階に位置するH+, K+-ATPase(プロトンポンプ)をカリウムイオンと競合的に阻害することにより、強力かつ持続的な酸分泌抑制作用を示すとされている。

武田薬品によると、「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」「逆流性食道炎」「ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助」などに関して国内で実施された複数の臨床第Ⅲ相試験で、タケキャブは優れた有効性と良好な安全性、忍容性が確認されたという。

逆流性食道炎やピロリ除菌補助に関するタケプロン(ランソプラゾール)との比較試験では、「逆流性食道炎に対する投与8週後までの内視鏡的治癒率」タケキャブ錠20mg:99.0%、タケプロン30mg:95.5%、「アモキシシリン水和物、クラリスロマイシンとの3剤併用療法の除菌率(一次除菌)」タケキャブ錠20mg:92.6%、タケプロン30mg:75.9%─という結果が示されている。

武田薬品と大塚製薬は、2014年3月末に締結した同剤の国内共同プロモーション契約に基づき、両社で医療関係者への情報活動を展開する。

●「タケキャブ」の効能・効果/用法・用量
①胃潰瘍、十二指腸潰瘍:20mgを1日1回、胃潰瘍は8週間まで、十二指腸潰瘍は6週間まで ②逆流性食道炎:20mgを1日1回、通常4週間まで ③ピロリ除菌補助(3剤併用):20mgを1日2回、7日間

持田製薬:抗うつ剤「レクサプロ」、シェアNo.1目指す

持田製薬の持田直幸社長は1月26日に開いた懇親会で挨拶し、抗うつ剤「レクサプロ」(一般名:エスシタロプラムシュウ酸塩)と子宮内膜症治療剤「ディナゲスト」(一般名:ジエノゲスト)を同社の大きな柱に育てていく方針を示した。

レクサプロについて持田社長は「日本の抗うつ剤市場のシェアNo.1を目指して売上高の早期最大化を図る」と強調。同剤については社会不安障害の効能追加も申請中で、今年中の承認取得を目指しているとした。ディナゲストについては、子宮腺筋症の効能追加を目指し臨床第Ⅲ相試験を実施中と説明した。

一方、主力品の高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤「エパデール」、持続性Ca拮抗降圧剤「アテレック」については、「豊富なEBM情報を最大限に活用して地位を堅持する」とし、後発品事業については「新薬メーカーならではの持田らしい製品ラインアップを充実させ、100億円事業に向けて売上を拡大したい」と述べた。

創薬研究については、独創的グローバル新薬の創製を目指し「中枢神経疾患」「糖尿病・肥満」の2分野に集中的に取り組む方針だ。

●持田製薬が開発中の新薬
①臨床第Ⅲ相試験実施中:「MD–0901」(潰瘍性大腸炎治療剤)、「ディナゲスト」(子宮腺筋症の効能追加) ②臨床前期第Ⅱ相試験実施中:「ベセルナ」(尋常性疣贅の効能追加)など

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