アッヴィ合同会社は2月11日、日本において、インターフェロン(IFN)やリバビリン(RBV)を使用しない経口剤のみによるC型慢性肝炎治療薬の製造販売承認申請を行ったと発表した。
同剤は、2種の直接作用型抗ウイルス剤(オムビタスビルとパリタプレビル/リトナビル)の配合剤。ジェノタイプ1型C型肝炎ウイルス(HCV)に持続感染している患者が対象で、1日1回、12週間投与する。
ジェノタイプ1b型日本人成人患者群を対象とした第Ⅲ相臨床試験プログラム「GIFT–I試験」では、投与終了後12週目のウイルス学的著効率95%(112例中106例)を達成。有害事象による治療の中止は0.9%だった。
アッヴィのスコット・ブルン医薬品開発部門担当バイスプレジデントは「今回の申請は、多施設大規模共同試験の結果が裏付けとなっており、日本で最も多いジェノタイプ1型HCV感染患者に治癒を提供する可能性が近づいたことを意味する」とコメントしている。
IFNやRBVが不要なジェノタイプ1型HCV治療薬としては、ブリストル・マイヤーズが昨年9月に「ダクルインザ錠・スンベプラカプセル」を発売。ギリアド・サイエンシズが配合剤(レジパスビル+ソホスブビル)を承認申請中で、今年中に発売の見通しとなっている。
●GIFT–I試験で認められた有害事象
肝硬変を発症していない患者で最も多く認められた有害事象:「鼻咽頭炎」16.7%(プラセボ群13.2%)、「頭痛」8.8%(プラセボ群9.4%)、「末梢浮腫」5.1%(プラセボ群0%)
エーザイは2月26日、既存のプロトンポンプ阻害剤としては最も小型の錠剤となる「パリエット錠5mg」(一般名:ラベプラゾールナトリウム、薬価:70.50円)を発売した。同剤の剤形はこれで5mg錠、10mg錠、20mg錠の3種類となる。
「パリエット錠5mg」は、2014年12月に承認を取得した「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」の効能・効果追加に合わせて開発されたもの。この効能・効果でパリエットを投与する場合の用法・用量は「通常、成人には1回5mgを1日1回経口投与(効果不十分の場合は1回10mgを1日1回経口投与できる)」とされている。
低用量アスピリンの長期投与が必要で、かつ胃潰瘍または十二指腸潰瘍の既往歴がある患者を対象に行われた臨床第Ⅱ/Ⅲ相試験の結果によると、投与24週後における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の累積再発率は、対照群(テプレノン)21.7%に対しパリエット5mg群(2.8%)、10mg群(1.4%)で、両群とも有意に優れた潰瘍の再発抑制効果を示している。
エーザイは「新剤形の発売により、低用量アスピリンを服用している患者の消化性潰瘍再発抑制に貢献するとともに、パリエットの臨床的価値を高め、酸関連疾患の治療により一層の貢献していきたい」としている。
●「パリエット」の主な効能・効果
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、胃潰瘍などにおけるヘリコバクター・ピロリ除菌の補助