がん免疫療法薬「オプジーボ」を対象に、緊急的対応として期中の薬価引下げが行われることが確実となった。注目の引下げ幅は従来の市場拡大再算定の枠組みを活用するため、最大で25%となる見込みだ。
高額な薬価による保険財政への影響が懸念されている「オプジーボ」(一般名=ニボルマブ)について、次期薬価改定の前に薬価の引下げが行われることが確実となった。現行ルールでは類似薬としてオプジーボと同等の高薬価が算定される「キイトルーダ」(一般名=ペムブロリズマブ)の薬価収載が早ければ11月にも見込まれるため、厚労省は10月中に具体的な対応の取りまとめを目指す。
対応を巡る論点は、「緊急的対応の対象範囲」(表)と「算定方法」の2つ。対象範囲については、オプジーボの薬価が問題視された理由として、効能効果の追加による市場規模の拡大が2016年度改定の薬価調査に間に合わなかったという点を踏まえ、①市場拡大してから次期改定までの期間が長期間にわたる、②市場拡大の程度がきわめて突出─の要件を満たす薬剤の限定的取り扱いとする方針を明記。各要件の基準は、①は15年10月~16年3月に効能追加等がなされた薬剤、②は16年度販売額が市場拡大再算定(特例)の適用要件である1000億円超、かつ市場予測からの拡大率が10倍以上となる薬剤─とされた。現状では、オプジーボのみが該当する。
残り516文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する