【概要】 中医協は新薬の薬価算定方式に新ルールを導入することを決めた。類似薬効比較方式の「画期性加算」「有用性加算」の加算率を定量化、不透明だった加算率に客観性を持たせる
中医協の薬価専門部会(西村万里子部会長)は4月23日、類似薬効比較方式で新薬の薬価を算定する場合の「画期性加算」と「有用性加算」の加算率を定量化する新ルールの導入を決めた。原価計算方式で算定する場合の「営業利益」についても定量的な視点を導入する。これらは同日の総会でも了承され、次回の薬価収載以降、新ルールに基づき評価を進めることとなった。
新ルールは加算要件を細分化し、ポイントとして積み上げる。例えば「画期性加算」は(1)臨床上有用な新規の作用機序(4項目)、(2)類似薬に比した高い有効性または安全性(3項目と2項目の組み合わせ)、(3)対象疾病の治療方法の改善(6項目)、(4)製剤工夫による高い医療上の有用性(4項目)─という4つの角度から評価。項目ごとのポイントを合計し、「1ポイント=5%」で計算する。「営業利益」についても、「臨床試験成績からみた革新性等の評価(3項目)」と「医薬品からみた革新性等の評価(5項目)」をそれぞれポイント化し、積算する。
安達秀樹委員(日医)は「加算率に客観性を持たせる1つの手法として有用」と評価しつつ、新ルールは現行制度を前提としたものであることから「加算率自体の妥当性の検討も将来的には必要」と指摘した。
●費用対効果評価「導入ありきではない」
同日はこのほか、費用対効果評価専門部会も開かれ、今後の検討スケジュールが了承された。2014年度は研究班を立ち上げ、「売上高が大きい」医薬品・医療機器などの具体例について費用対効果評価を実施。結果を基に16年度改定での試行的導入も視野に入れて、15年度に検討を進める。
厚労省の示したスケジュール案を問題視したのは鈴木邦彦委員(日医)。2016年4月に「試行的導入」と記載されていたことについて「(今改定の答申)附帯意見では『視野に入れながら』となっている。導入ありきではない」と反発。佐々木健医療課企画官は「(答申と)方針は変わらない」と説明し、スケジュールに「目途」の文言を加えることで決着した。
なお、厚労省は4月23日付で「疑義解釈資料(その4)」を全国に送付した。ポイントは下掲の通り。(疑義解釈資料の全文は本誌HP2014年度診療報酬改定関連資料からダウンロードできます)。