米国研究製薬工業協会(PhRMA)の会員会社が現在、計119剤の精神疾患治療薬を開発中であることが明らかとなった。PhRMAが5日、発表した「メンタルヘルスに関する最新報告書」で分かった。現在、世界では約3億人、米国でも6150万人が精神疾患と診断されている状況で、重篤な症状の患者に対する政府の負担は年間3170億ドル以上に膨らんでいる。日本の患者数は厚労省の調査では約320万人(2011年)と推計されている。
報告書によれば、現在開発中の精神疾患治療薬の内訳は、統合失調症治療薬36剤、うつ病治療薬29剤、物質依存性障害治療薬20剤、注意欠陥・多動性障害治療薬15剤、不安神経症治療薬15剤で、すべてが臨床試験中または米食品医薬品局で審査中。
報告書ではこのほか、精神疾患の治療法における革新的なアプローチとして、(1)治療抵抗性のあるうつ病に対する即効性の治療効果が望める経鼻投与製剤、(2)統合失調症に対する既存の治療法に比べ副作用が少ない医薬品─などを紹介している。