妊婦への投与が禁忌となっているARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤)およびACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤の服用の影響が疑われる妊婦と胎児の症例が継続して報告されていることから、厚生労働省は9月30日、投与禁忌について再度注意喚起する安全性情報を発出した。
ARBとACE阻害剤を妊娠中期から末期に投与された妊婦では羊水過少症や早産、出生児では腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、四肢拘縮、肺の発育不全などが現れたとの報告がある。
●カルバペネム耐性細菌感染症の届出でQ&A─国立感染研
9月19日から感染症法上の届出対象となったカルバペネム耐性腸内細菌感染症の届出基準について、国立感染症研究所は24日、ホームページでQ&Aを公表した。
同感染症は、メロペネムなどカルバペネム系薬剤、広域β-ラクタム剤に耐性を示す腸内細菌によるもの。主に感染防御機能の低下した患者や外科手術後の患者が発症。臨床症状は、肺炎などの呼吸器感染症、尿路感染症、手術部位や外傷部位の感染症など多岐にわたる一方で、無症状で腸管等に保菌されることも多い。
Q&Aでは、無症状の保菌者は「届出対象ではない」としながらも、複数の入院患者から菌株が分離されるなど院内アウトブレイクが疑われる場合は保健所への相談・連絡を求めている。また、指標薬剤のイミペネムに感性であってもメロペネムに耐性を示せば届出対象とし、耐性菌の検出にはメロペネムを使用することを推奨している。